Chapter1 『はじまりの夜』 1-3

「・・静乃さんだ。 オフラインにしていたのに、


僕も夜更かしが見つかったかな。」


チャッ


(パソコンに触れ、通信可能にした。)


[「こんばんは。 夏樹くん。」]


(画面に、明るい笑顔の、静乃が映し出された。)


「こんばんは。 静乃さん、真夜中でも元気だね?」


(夏樹も微笑み返した。)


***


「くすくすくすっ。」


(夏樹を見て、静乃は笑った。)


「何してるの? 夏樹くん。 あや先生に、ドクターストップかけられてるくせに。」


(静乃はパソコン画面を見ながら、教職員机に座っていた。)


(そこは、真夜中にもかかわらず、煌々と明かりのついた、職員室に見えた。

いくつもの机があるが、そこにいるのは静乃だけだった。)


(肩の長さほどの、明るい茶色の髪が、くせづいて跳ね。

軽やかな印象で。 お気に入りの花柄のスカートが華やかだ。)


***


「静乃さんこそ、学校の先生なら、とっくに帰る時間だろう?」

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