Chapter1 『はじまりの夜』 1-2

(夏樹は、立ち上がり窓の外、遠くを見た。)


カチャッ


(窓を開け、ベランダへ足を運ぶ。)


「ふぅ。」


サアァッ


(風が、紺色の髪をなでる。)


「夜は、少し肌寒いな。」


「・・、潮風が来る。」


(目を閉じた。)


『風は、次の街、風見市から吹いてる・・。』


『聖が、空間をつなぐ結界を創りはじめたんだ。』


(目を開け、微笑んだ。)


「今夜は帰りそうにないな。」


千波ちなみちゃんに教えてあげようか。 まだ起きて待っているかも


しれない。」


ピルルルッ ピルルルッ


「ん?」


(部屋の中から聞こえる、突然の呼び出し音に、振り返った。)

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