乱世の快男子19 色々歓談して夜も遅くなり、すつかり、馳走になり申した、我が屋敷にもお出ましくだされと言うので、お伺いしますと言って表まで送って行ったのです、部屋にもどる


乱世の快男子19


色々歓談して夜も遅くなり、すつかり、馳走になり申した、我が屋敷にもお出ましくだされと言うので、お伺いしますと言って表まで送って行ったのです、部屋にもどると気さくな方で、

すねと言うので、とても律儀なお方だよと言うと、旦那様の事が大好きみたいですね、伊予で何をしたのですかと聞くので、伊予一国をかけて一騎打ちをしたのさというと、それで負け、

たのですかと聞くので、


いや勝ったんだよと言うと、でも河野様は伊予の殿様なんでしょうと言うので、返したんだよというと、それで旦那様に恩義があり、律儀な方だからお尋ねくだされたのですねと言い、

しかし、今時一騎打ちですかと感心していたのです、お雪も飲めと酌をすると飲み干し、美味しいと言ったのです、多分徳川様との仲立ちを秀吉様から押し付けられますよと言うので、


そうなんだよなあ狸とキツネを取り持つんだから、大キツネか大狸にならないと、こっちが化かされてしまうよと笑ったのです、翌日桔梗屋に行くと金寸5000両を勘定奉行様からお預、

かりしていますが、今度は何をお作りになるのですかと聞くので、定吉を呼んで欲しいのだがと言うと、呼んでありますと呼びに行かせると部屋に入って来たので、今度は大筒だと言、

うと、


あの南蛮船が積んでいる奴ですかと聞くので、そうだ、あれを荷車の上ににつけて運べるようにして欲しいのだと言うと、あれを岡の戦にお使いになるんでと言うので、そうだ、城を、

囲んだとき大手門を破ろうとして近づくと鉄砲の弾や弓が雨、あられと降って兵の損耗が激しいので、遠くから大手門に打ち込み、門を壊すのさ、それからやぐらに打ち込めば城が、

破壊出来るだろう、


又敵の槍隊などの密集している所に打ち込めば、5~6人は殺傷できると言うわけだと言うと、なる程船の大筒を岡でつかうわけだと言い、わかりやしたと言うと、桔梗屋がそれでは、

南蛮船から一つ譲って貰って、定吉に調べてもらいましょうと言ったのです、定吉頼むぞ、お前のお陰で今回も手柄を立てる事ができた、あの鉄砲300丁で高松城を陥落させたのだよ、


秀吉様から恩賞を貰ったので、お前達にも分けてやる、まずは、試しに造ってくれ今度は鉄が沢山いるだろうと言うと、おもしろそうですね職人が喜びますよと言ったのです、しかし、

あんな大きな物をどおやって造るのだと聞くと、鉄を溶かして鋳型に流し込めばいいんですよ、鋳型の真ん中に丸い穴の開いた鋳型をもう一ついれて、周りに徹を流し込むのです、


大きい分だけ鉄砲より作るのは簡単ですが、沢山の火薬が必要ですから、砲身が破裂しないようにする為にはどおするかですよねと言うので、何も鉄でなくてもいいんでは、大仏は銅、

で出ているんだろう、金はかかるかも知れないが、鉄砲みたいに何百門あっても運ぶのに大変だから、20門位あればいいだろう、運ぶのは馬に引かせればよいと言うと、成る程銅かと、

言って、


銅は熱も冷めやすいので良いかも知れません、やつてみましょうと定吉が言ったのです、しかし、色んな事を考えつくのですねと、桔梗屋と定吉が、感心していたのです、それからハモ、

はいつも済まんなあ、酒の肴にぴたりだよと笑ったのです、桔梗屋がたまにはここでもやって下さいと酒のしたくをしたのです、つまみにハモを出したので酢味噌で食べてこれは美味い、

と言い、


桔梗屋と定吉に酌をして盃を重ねたのです、暫く歓談して馳走になったと立ち上がり屋敷にもどったのです、城から使いが来たので秀吉の御座所に行くと、よう来たと言うので傍による、

と今度わしに関白の宣下を下さる事になった、姓も豊臣の名を賜わるのだと言うので、おめでとう御座いますと言うと、これで家康も上洛するかのうと言うので、中々難しいでしょうと、

言うと、


そうなんじゃよ家康が上洛しないと天下は定まらぬと言うので、誰かを秀吉様の養女になさり家康様の正室に送りこまれたらどうですか、実質は人質ですが、上洛して臣従の礼をとれば、

秀吉様の勝ちですよというと、成る程そこまでやれば来ぬわけには行かぬなあと言ったのです、それから真田を使って家康の領地を脅かさせるのです、そして、それを家康に返えさせて、

恩義をうればいいのですというと、


それでは家康が真田を攻めるだろうと言うので、そうなったら、浜松を伺えば身動きが取れなくなりますので、少ない兵しか遅れません、再び真田が勝つでしょう、その前に上杉を懐柔、

して、真田の後方を固めるのですというと、成る程真田をけしかけるかと言って、三成に口上して真田と上杉に届けよと命令したのです、それでも上洛しなかったら、最後は上洛の間、

どなたか身内を人質として三河に送り込めばいいでしょう、


ここまでして上洛しなかったら、三河に侵攻するしかありません、集められる兵は20万は下りません、これだけの兵で攻められれば、いくら、家康様でもひとたまりもありません、世間は

秀吉様の味方になりますから、必ず上洛しますと言うと、成る程考えておくかと言って、話はかわるが上洛の使者としてそなたが三河に行ってくれないか、家康とは面識もあるし、業物、

も貰っていると聞くと言うので、


わかりました行ってきましょうと言い、よく貰った事をとがめだてしませんでしたねと言うと、そんな事すれば家康が笑うだろうと言うので、さすが読みが深い、家康様はそれが狙いで、

私に太刀を授けたのですというと、それがわかっているのに差しているのは、そんなに業物なのかと聞くので、ききしに勝る業物です、もしなまくらだったら差しませんよ、誰かに、

狙われて、


刀がぽきりとでも折れたらあの世行きですというと、そうか、わしにも見せてみろと言うので、三成殿宜しくと言うと、三成が持って来たので秀吉に渡すと、刀を抜いてみていましたが、

わしにはサツパリ分からんがと言うのでそれではお見せしましょう、三成殿の刀を持って来てくれませんかと言うと持って来たので、抜いてくださいと言うと抜いたの上段に構えて思い、

切りふりぬいてくださいと言うって、


前に進み出ると本当にいいんですか、けがしても知りませんよと言うので、心配しなくても三成殿の腕では、私は切れませんよと言い下段に構えて、さあと言うと、上段から正直の頭が、

けて振り下ろしたのですが頭には届きません、下段からその刀目掛けて打ちつけると、ガツンと音がして火花が散り、三成の刀がポキリと真ん中から折れたので、上段から降りぬき三成、

の肩口でピタリととめたのです、


刀を鞘に納めて座ると三成はへな、へなと座り込んだのです、見事な腕だと言うのでもう一度刀を抜き、この刃ではなく峰をみてください、折れた三成の刀と比べると、峰が少し厚いの、

です、この通り普通の刀より少し峰厚が大きいのです、刀の刃はいくら切れ味がよくても、人を切るとあぶらがついて二人以上は切れないのです、しかし、峰を使えば切るわけではない、

のです、



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