乱世の快男子5 暫くすると私どもはこれで失礼しますと言う、一両小判を出して主人に中浦殿の分もこれで十分にのましてくれと言うので、これはかたじけないというと、いいのですよと笑い店を出て、


乱世の快男子5


暫くすると私どもはこれで失礼しますと言う、一両小判を出して主人に中浦殿の分もこれで十分にのましてくれと言うので、これはかたじけないというと、いいのですよと笑い店を出て、

いったのです、主人がこれでは余ってしまいます、飲みおわりましたらお釣りを出しますと言ったのです、それではお雪が若様徳しましたねと言うので、何か食べたいものはと聞くと、

主人があんみつはできますよと言うので、


それをと頼んでのです、餡蜜が来るとお雪が美味しい、美味しいと食べたのです、それでは、アジの叩きはあるかと聞くと、ありますと言うので頼んだのです、酒を飲み叩きを食べて、

美味いと喜んだのです、そろそろ行くかと席を立つと、主人が牟お釣りですと銀3枚を渡すので、一枚を主人に渡し、2枚をお雪に渡すと、こんなに貰えませんと言うので、奥方には私、

しから話すから怒られないよ、


とっておきなさいと言うと、これで米4表は買えますよと言ったのです、もうかったねと言うと、若様はすご~いとお雪が言ったのです、街をブラブラして山城屋に戻どるともう夕方で、

です、奥方が若様お帰りなさいと言うので、経緯を話すと、まあ、ありがとうございます、お雪遠慮しないでお受け取りなさいと笑ったのです、お風呂が沸いています、お雪案内しな、

さいと言うので、


お雪が案内して下帯を外して中に入ると、お雪が入って来て背中を流しますと、お湯をかけてヘチマで背中を流すので、チョイ痛いなというと、我慢するのですとコジゴシ擦ったのです、

ハイできましたよと背中にお湯をかけたのです、湯船に入るとこれは天国だと言って、タップリお湯につかりあがると、お雪が体を拭き下帯を締めて、浴衣を着せたので部屋に戻ったの、

です、


徳衛門が部屋に入って来て、さつそくのお働きご苦労様ですというので、まつたく、あの者達はどこの者だと聞くと、三次の残党ですよ、次の戦をまっているのですというので、何処で、

戦が起こりそうなんだと聞くと、美濃あたりで徳川様と一戦あるそうです、何でも岐阜の織田様と徳川様が手を握ったとかで、秀吉様が軍勢を率いて行くとの噂ですと言ったのです、


お雪が酒を運んで来たので、徳衛門もどうだと勧めると、ハイと言って盃を出すので酌をお雪がして盃を重ねたのです、徳衛門が風呂敷に入った包みを差し出し、ここに25両入っていま、

す、ご自由にお使い下さいと言うので、かたじけないと言うと、お礼なんて言わなくていいんですよ、殿様には大変お世話になったのですよと言うので、父上は何をしたのだと聞くと、


伊東様のご家来であった時殿様の用事で、京都に来られた事があった時に、京都の料理屋で厠に行こうとした時に、目つきの鋭い男とすれ違ったそうなのです、気になったのでその男の、

部屋のそばを通ると話し声が聞こえたので隅で聞いていると、明日大阪の山城屋を狙うぞと聞こえたそうなのです、それで、次の日にここに来られて、その話をされて、手勢10人つれて、

来たので、


今日はここに詰めてやるとおっしゃったのです、言われたとおり夜中に賊10人が押し込んだのですが、ことごとく成敗されたのです、全員が見値打ちだったので死人はでなかったのです、

その時は倉の中に10万両ほどあったのです、それを持って行かれれば私は破産するところだったのです、それからは、防備を厳重にしましたので大丈夫になったのです、伊東様にも5000、

両程の貸付金があったので御座います、


お礼に借金は棒引きにしますと、申し入れしましたが、それはだめだ、そんな事のために助けたのではないと、お聞きいれなされなかったのです、それで、督促はしない事にしたのです、

今こうしてこの店があるのは、お殿様のお陰なんですよ、お助けしていただかなければ、私達の命もなかつた事でしょようと、酌をしたのです、そんな事があったんだ、父上らしいと、

正直が酒を飲み干したのです、


次ぎの日は大阪の加藤清正を尋ねて行くと、すぐに通され、やあやっと来てくれましたね決心がつきましたかと言うので、羽柴様に仕官しますが羽柴様に仕官するのは私の主人である伊東、

祐兵ですというと、あの島津に滅ぼされた日向の守護ですかと言うので、その一子が生き残ったいるのですというと、お主は中浦正光の次男であろう、貴方の父上は島津の家臣で2万石の、

知行地を貰っていると言うので、


そうです私は伊東家再興のため国許を出奔したのです、成る程それで旧主人である伊東祐兵の家来になっていると言うわけだなと言うので、その通りです、伊東祐兵が羽柴様の家来となる、

事は私も家来になると言う事です、元家臣団はバラバラになっていますので、直ぐには集められませんが、いずれ駆けつけます、又わが父中浦正光は最後まで城は開城しませんでした、

主家が日向からいなくなったので、


やむなく開城したのです、島津の家来になる条件は伊東家再興の暁には、島津家を辞して伊東家に帰参する事を、島津義弘が飲んだので開城したのです、と言うと話しは聞いている、島津、

義弘との一騎打ちに勝たのだろう、さすがは島津の侵攻を何十年も食い止めただけはありますなと言い、羽柴様が九州征伐をなされるときは、貴方の父はわれらに味方するのかと聞くので、

少なくとも前線では刃は向けないでしょう、


島津との交渉にはうってつけだと思いますがと言うと、わかった、秀吉様に話そう、正直殿の事はすでに秀吉様には話してある、3000石で取り立てるとの事であったと言うのでそれを祐兵、

様にお与え下さいと言うと、話しておこう、しかし、正直殿は律儀でござるのお、必死に守っている者共を捨てて日向から逃亡した主家で御座るぞ、何もそこまで義理立てしなくてもよか、

ろうと思うがと加藤が言うと、


何事も父上のお申し付けに御座いますと言ったのです、その律儀さを秀吉様は褒めて下さるでしょうと加藤が言ったのです、普請奉行ゆえお構いできないが、後日又一献くみかわしましょ、

うと言うので、加藤の元を辞し山城屋に戻ったのです、源蔵が尋ねてきて若殿は大阪の源信寺に逗留していると言うので、それではこれから迎えに行こうと言い連れだって源信寺に向かっ、

たのです、


源信寺に行くと祐兵がそなたは正直ではないかと言うので、お迎えに上がりましたとうと、そなたの父は島津に臣従しているのだろう、何ゆえ私をというので、私は家を出奔して伊東家を、

再興する為にお迎えに来たのですというと、そなた達をみすてて日向から逃げた事で誰も仕官はさせてくれないのだと言うので、秀吉様の家臣加藤清正殿に頼んであります、程なく返事が、

くるでしょうと言ったのです、


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る