もとより武門の習いじや、父、兄といえど遠慮してはならぬ、お前は伊東家再興のためには、父、兄も殺さなければならない事になっても、躊躇してはいけないぞと言ったのです、心配、
乱世の快男子2
もとより武門の習いじや、父、兄といえど遠慮してはならぬ、お前は伊東家再興のためには、父、兄も殺さなければならない事になっても、躊躇してはいけないぞと言ったのです、心配、
するな、伊東家再興のおりは島津家を辞して、伊東家に仕えると言う条件で島津に降ったのだ、しかし、それが現実に許されるかは分からないので覚悟は必要だと言うわけだと言ったの
です、
父上のご命令ならそれに従いますと言うと、兄の正行がしつかり若殿を守るのだぞ、お前は戸田一刀斎の目録の腕前だからキット、若殿の役に立つだろうと手を握ったのです、部屋に辞し、
て旅の用意をしていると、母親と妹が部屋に入って来て、父上から聞きましたほんにご苦労な事ですが、ご恩ある伊東家の為に力をつくしてくだされ、ここに薬袋を用意しました、くれぐ、
れも体をいといなさいと渡したのです、
妹の律が兄上様とお別れするのは辛いです、たまには律にお手紙をくださりませ、これは道中のお守りですと渡したので受け取り、母上、律もなにとぞ体をおいといくだされと言い、明日、
早くに立ちますのでご挨拶の儀は勘弁くだされと言ったのです、2人が部屋を出て行くと、源蔵が入って来て、影で拙者が大阪まで着いてまいります、大阪には手の者が5人おります、何か、
のお役にたつでしょうと言うと、
す~と消えたのです、翌日は飫肥から北郷に入り清武をへて豊後への道を歩いて行ったのです、大阪までは船と陸路を歩いて20日の道のりです、難所なのが日向から豊後に抜ける道です、
だらだらと長い道が峠まで続きそしてまただらだらの道を降りると豊後の佐伯にでるのです、山賊の出る場所でもあり用心しながら登ると、峠に茶店があり、旅籠で貰った握り飯に、
お茶を貰い食べたのです、
ダンゴを二本もらい食べると、老婆がお侍さんは何処までいきなさるのかねと聞くので、大阪までだと言うと、それは難儀な事ですね、この峠の下には時々山賊が出るらしいので、気を、
つけて行きなされと言うので、わかった、腹も一杯になったそれでは出かけるとしょうと金を払い、立ち上がると、馬を引いた女子が峠のしたから上がって来て、お侍さん馬に乗っても、
らえんだろうか、
今日は旅人がすくのうて困っているがよと言うので、そうか、お前はこの峠の下の者かと聞くと、したの村のもんだと言うので、次の宿場まではどの位だと聞くと、10里はあるだ今日、
中には無理だよ、おらが家に一晩泊まればいいだがと言うので、分かった、それでは馬に乗ろうというと、嬉しいと言うのでくつわに足をかけて乗ったのです、お前の名前はと聞くと、
絹だよと言って、太郎いくぞと馬の尻を叩くと、ひひ~んといななき、パッカ、パッカと歩きだしたのです、この下で山賊が出るとの事だがというと、村の者は貧乏だから襲わないよ、
というと、しかし、私は村の者ではないぞと言うと、そうか、そん時は太郎に走ってもらうだと言ったのです、ゆつくり峠を降りていくと菊は歌を歌いながら馬を引いて行ったのです、
峠の途中に来ると人の気配がします、菊馬を止めてくれと言うと、どうしただと言うので誰かいるようだ、そこの石を二つ拾ってくれと頼むと、こぶし大の石を二つ渡したので、手に、
握りえ~いと前の茂みに投げるとゴチンと音がして、いて~と、3人が茂みから出て来て何をするんだと言うので、そんな所に隠れているとは追いはぎかというと、命がおしければ、
みぐるみおいて行けと言うので、
もう一つを左の杉目掛けて投げつけると、これもゴチンと音がしてう~わと声をだして、手に持っていた弓を放して男が転げ落ちたのです、すばやく馬から下りて走り、男達のそばま、
で行くと、一人の男目掛けて刀を抜き振り下ろしたのです、目にも止らない早業です、男がぐわ~と言って前のめりに倒れたのです、あわてて逃げようとするので、刀を突き出し逃げ、
れば切るぞというと、
後の二人がそこに座り込んだのです、切ってはいないと言って、後ろからカツを入れると、ふ~つと息を吹き返したので、もう少しで真っ二つだったなというと、命だけは助けてくれ、
と言うので、お前達は元百姓かと聞くとそうですというので、今回は命は取らぬが次はないぞというと、立ち上がり山の中に消えたのです、菊がお侍さんはつよ~いんだと言うのでそ、
うでもないよと笑ったのです、
峠を降りると村が見えて来たのです、ここには庄屋はいないのかと聞くとあの大きな家が庄屋の留吉さん家だと言うので、そこに連れて行くのだと言うと、家に泊まらないのかと聞く、
のでお菊の所に泊まるのだが、米を分けてもらうんだと言うと、ああ、と言って案内したので、庄屋に島津藩のもんだが米を分けて欲しいのだがと、銀の粒二つを渡すと、ハイ、これ、
なら4俵ですがと言うので、
表の馬に積んでくれと頼むと、使用人が馬に積んだのです、あの、旅の方とみうけましたが、ここに、お泊りなさいませというので、お絹の家に泊めてもらうよと言うと、そうですか、
というので、米を持ってお絹の家に向かったのです、うまを繋ぎ家に入るとお母かさんいま帰ったよと絹が言い、今日泊めてほしいそうだと言うので、中浦正直と申す一晩宿を借りた、
いと言うと、
こんなところでよければと言うので結構だと言う、馬から米を下ろし土間に積み上げたのです、これは馬の借りチンと宿代だと言うと、絹がありがとうと喜ぶと、こんなに貰っていい、
だかと言うので、遠慮するなと言ったのです、ススギを持つて来たので足を洗い土間に座ると、白湯をだすので飲んでお父さんは聞くと、山にイワナを取りに入っているだが、もうじ、
き帰ってくるだと言ったのです、
お母さんが夕餉のしたくをするだと言って、風呂がないので下の川で体を洗ってくだせえと言うので、手ぬぐいと下帯を持ち谷川に入ると温泉になっており温かいのです、体を洗い浸、
かるといい気持ちです、お菊が着物を脱ぎ中に入って来たので後ろを向くと、お侍さんは女子の裸は始めてみるだかと聞くので、そうだと言うと、笑っています、下帯を洗ってやるだ、
と言って、
岩に置いてあった下帯を洗い始めたのです、この直ぐ上からお湯が出ているだよと言うので、これでは風呂はいらないなと言うと、ここの村はどこにも風呂はないだよと絹が言ったの、
です、さあ綺麗になっただ、干しとけば明日には乾くだと言ったのです、体を拭き下帯をつけて上がって土間に行き、いい風呂だったと言うと、そうでしたかといい、1人の男が熊造、
と言います、
こんなに沢山の米をくださつたそうで、ありがたい事です、今日はイワナがたくさんとれましたので、塩焼きにしますと、櫛に刺しカマドに立てかけたのです、一杯やってくだせえと、
湯のみにどぶろくを注いだので飲んで美味いと言うと、お絹が喜んでいます、飯も炊けましたよといい、茶碗に盛るのでイワナの塩焼きと味噌汁で夕飯を食べて、これは美味いと言う、
とお絹もお美味しい、美味しい、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます