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 ちゃっかりとこの店で一番高いであろう酒をロックで頂く。マッカランはやっぱり美味い。

「そうねぇ、何か面白いこと・・・あ、そうだわ。宝くじ買ったの」

「えー」

「何よその顔」

 だってめっちゃ普通なんだもん。

「はなちゃんは買ったの?」

「俺はそういうの買わないタチで」

「あら、夢のない男はもてないわよ」

「他に運を回してんだよ」

 それで? とグラスの氷をくるくる回しながら訊くと、ミケはおぞましい、いやニンマリとした顔で言った。

「実はあたし、今凄くツイてるの」

「ツイてる?」

「ミクリさんに近いうちに何か願っていることが叶うって言われてるのよ」

 あの占い師に?

「それにね、じゃーん」

 と見せられたのは一つの植木鉢。多肉植物みたいだが、これが何か?

「カネノナルキよ」

「金の生る木? まじで?」

 あ~ついに騙さてしまったか。ミケは結構流されやすいタイプだから。

「すぐに返して来なさい」

「は? 詐欺じゃないわよ」

「みんなそう言うんだ。まだ間に合う」

「何がよ! これは正真正銘、カネノナルキよ」

 大丈夫かコイツ。

「だからそう言う名前の木なんだって! 花屋のおじちゃんが縁起が良いっていうから買ったのよ。宝くじが当たるかもしれないでしょ」

 確かに名前を聞く感じでは、金運が上がりそうな気もするが・・・。

「じゃぁ当たったら温泉でも連れてってくれよ」

「たった十万やそこらじゃだめよ。でもまぁ、大きく当たったら考えてあげてもいいわよ」

「っし、お願いしまーす」

 なーんてな。そうそう当たんないから宝くじって言うんだって。

 でも願うなら、一等賞でお願いします。


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