第7話
王都を抜け、王国の国土を進んでいく。点在する村々ではやはり歓待を受けた。王都に比べれば質素であることは否めないが精いっぱいのもてなしである事は良くわかったし、その暖かさが可彦は嬉しくもあった。
さらに村娘が夜に忍んでくることも度々あり、可彦は対応の困ることもしばしばだったが、フォル卿は笑って受け入れるよう進言してきた。それが勇者の務めでもあると。
行進は数日続き、国境の城塞都市で最後の盛大な歓待を受けるとその先には荒野が広がっていた。
「ここから先は王国の外、人の住まぬ荒野。そしてその先に、『ユラティオ』がございます。おそらくは明日の昼過ぎには到着いたしましょう」
「『ユラティオ』?」
「ケントゥルム山脈に囲まれた荒涼たる台地がそう呼ばれております。そここそが王国と帝国が雌雄を決する場。我らはそこに陣を敷きます。帝国も相対する様に陣を敷くことでしょう。そうなれば決戦は明後日。その時こそベクヒコ殿。勇者である貴公の出番ですぞ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます