第24話 運命の女という怪物

快楽漬けの日々、豊潤な悦楽の大海のなかで溺れるあの荘厳な放蕩。


あの砂のように柔らかい尻。


闇夜の中で彼女を押し倒した。


あの日の君は美しかった。


本能は罪でしょうか。


罪深くない愛など女にとって何の意味があるでしょう。


赤ワインのような彼女の秘所。


陶酔をもたらす蜜のような性器。


無理やり犯された彼女は、泣きじゃくった。


女の涙は男を興奮させる。


犯罪者は本人の主観ではしばしば法悦に近い状態にある。


「男の人って情熱的になったらセックスすごいよね。」


昔の女がそんなこと言ってた。


人生が走馬灯のように回想される。


記憶よ! 鎖でつながれたケルベロスよ!


意識はお前に敗れない。


気づいたら恍惚の海から脱して、安らぎがあった。


それは絶え間ない瞑想であり、デジタル化、記号が消えた、生きた世界そのものであった。

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あの久遠の青空の殺戮的な輝き maitreyadasa @maitreya

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