第20話 愛獣

悦楽の液体のほとばしり。


激しく吐き出された愛の吐息


愛の中では人はいつも孤独だ。


スマホを右手でいじり、左手で女陰を弄る淫乱女。


「あなたのハートをよみがえらせてあげたい。」


豊満な肉体に彩られた潤爛なエロス。


悦楽は懊悩と生を欲する。


dakini hakini shakini rakini


「あなたの目は悲しみでいっぱいだわ。」


今から7年前、人生はいかなる苦悩が繰り返されようと何度でも生きるに値するという絶対的愛を知ったとき解脱した。


それ以来、自我とプライドを落とすためにさらに人生を生きようとしてきた。


専門分野や得意分野に逃避せず、真実の人生を生きてきた。


愛の恍惚と至福の陶酔にいきたこともあった。


でももうその若さはない。


今は安らぎがほしい。そう気づいた。


手放せば楽になれるさ。今はそう知ってる。


nirvanasukkhadayini


僕は生まれてきてよかったと思ってるよ。


そういえると信じてるよ。


死が、愛の悟りなら、復活は愛の完成だ。


土砂降りの雨のなかで、きっとつながるって信じてる。


届くって信じてる。


俺たちはまだ人間になってなんかいない。


反獣だ。


みんなに知恵を分かち合うために戻ってきたんだ。


豚肉を喰らい犬とともに生活する破戒僧。


「男性のオーラは青が一番いい色なんですよ。」


覚醒した人の青いオーラ。


複雑な形をした悪のトーテム。


邪悪で慈悲深いカルカッタの残虐な姿をしたカーリー。


ああ!憐れだ。


ガンジス川の砂粒よりも多い憂い。


この世の悲哀を知り尽くした憔悴した深い表情。


mahakarnika karnamritasagara


疲れた恋人のエゴ丸出しのセックス中心の恋愛。


「あなたってハートが死んでるね。」


人は、とってつけたような問いを持つことで成長することはない。


深い実存から真の疑問を持つときだけ成長する。


今なら、愛とは何か。という問いを持ちそれに答えることができると思う。


全身の細胞から湧き上がってくる質問に対してすでに問いはでている。


問いと答えは時間の外から、いわば大移動する大陸のように隆起するのだ。


彼女が笑えば、私も笑う。


彼女が泣けば、私も一緒に泣く。


愛ってこんなものかな。


ははっ、何でみんなこんなに単純なことわからないんだろうね。


わかったら地球は平和になるのにね。


みんなが安らぎに満ちるのにね。





万有は恐るべき荒海のごとく混沌として、アラヤは常にありのままにリアルであった。


君の瞳の中にあんなに透明な碧空を思わせる。


OM NAMAH SHIVAYA


慈悲の心から大海原にばら撒かれた悪魔の猛毒をすすり取った青い喉をした方よ!


ああ!どんな女にものろわれた穴が開いてる。


ブラックホールだ。


ああ、闇、透明な闇、苦痛にあこがれる享楽の自己破壊。


彼女は、鞭打たれるごとに、もっと激しく苦痛と緊張を求めた。


KA E AI LA HREEM HA SA KA HA LA HREEM SA KA LA HREEM


告別、破壊のダンス。


俺は神が宇宙を破壊する公式を見出し始めている。


シヴァのダンスを。


ああ、胸が焼けるようだ。手を伸ばせば届きそうだ。


あそこに安らぎがある。


そこにはただ、涅槃の安らぎだけ。


こんなに美しく澄み渡った青空はこれまで見たことはなかった。


四季が移ろい、四季の神々があのプライドの敏感さから離れた久遠の慈悲を放射していた。


砕かれたレンガの下から美しい花が咲いた。


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