第13話 懺悔録

彼女の誕生日に、ほかの女にペニス画像送りつけるところを彼女に目撃されて、


彼女を泣かせてしまった。


悪意はない。ただ、馬鹿だっただけだ。


手痛い失恋から立ち直ったばかりの彼女を、また傷つけてしまった。


傷つけないって約束したのに。


心臓から真紅の血がたらたら垂れる。


そもそも、私には貞操観念というのが、普通人に比べて薄い。


彼女がほかの男とやっても、それほどダメージを受けない。


慎重なので、簡単に愛を信じたりしない。


過去知り合いのピアニストを好きになったとき、一回、彼女の家に、ほかの男が来るのを目撃して雷に打たれたようになったことがある。


二週間くらいダメージ回復にかかったような気がする。


まあ、万物は流転する。


すべてはベストタイミングで起こってる。


そいつにはそいつの段階がある。


自分だけが邪魔だ。


ok is okだ。


ありのままで完璧なものは完璧なのだ。


みんな好きなことやってる。


すべては自由だ。


道端で死んだ野良猫も。


風に吹かれる落ち葉も。


おっさんのこくくさいオナラも。


それを消すための線香も。


夕べ見た、ネットのページに乗ってた情報も。


すべてがグッドタイミングだ。


ok is ok ok is ok ok is ok ok is ok!


かくのごとく来たり!かくのごとく去れり! namah sarvatathagataya!



ありのままだ。嗚呼! 青空を背景に微笑んだ全裸の女神よ!


現象と、我を隔てるあらゆる象徴が落ちたとき、ただ、輝く太陽と山々と青空が微笑んでいた。



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