第10話 梅の花

春の到来を告げるかのように梅の花が咲きました。


また一年、早くも、過ぎてしまった。


あなたは今頃どうしていますか。


私なしで上手くやっていますか。


気づけば、あなたに愛を告げた日から随分たってしまった。


あの久遠の青空を潜ませた瞳に戦慄した。


ごめん、僕は弱い一人の人間だから、君を上手く愛せなかったよ。


男のくせに自分から弱いっていうなんて卑怯だよね。


女とは男にとって症状だ。


女とは幻だ。


そして真実の女だけが存在する。


みだらで気ままで残酷な神妃


他の男のところにいって私のことなど忘れてしまったんだろうな。


すべての女は娼婦であり誘惑者だ。


貞女のみが解脱にいたる。


多くの女性がなんたことはない男性への恋によって解脱に至った。


力強い完成した異性愛が真実の香りがする。


あたかも、ビャクダンのの匂いを蠅が嫌うように。


英雄とは、あらゆる執着を絶ったもの。


あたかも、熟した果実が枝から落ちる如く。


心に焼き付いて離れないあの青空を湛えた瞳。




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