奉行所の与力青山からの要請で奉行所に顔を出すと、これから老中首座阿部正俊様の元へ参るというので、この格好ではというと、袴と裃は用意してあるそなたの紋処はと、


十二番目の志士4


奉行所の与力青山からの要請で奉行所に顔を出すと、これから老中首座阿部正俊様の元へ参るというので、この格好ではというと、袴と裃は用意してあるそなたの紋処はと、

聞くので桐に御座いますというので、腰元が奥座敷に案内して羽織袴に裃を着けたのです、江戸城の溜まりの間に行き青山と待っていると、老中と大名があらわれ、


青山がお召しにより、高杉新之助を連れてまいりましたというので、平伏したのです、面を上げよというので顔を上げると、近こうというので進みでると、世が阿部正俊で、

ある、こちらにおわすは島津斉彬公だというので、高杉新之助にございます平伏したのです、阿部がそちはペリーにいたく気にいられて黒船の中見せてもらったそうだが、

それを話してくれないかというので、


みた事をすべて話すと、斉彬がそれはわが国でも作れそうかというので、正確な図面がないので難しいかも知れませんが、一隻外国から購入して構造を真似すればできると、

思います、鉄を加工する職人が必要ですがというと、外国がわが国に売ると思うかと聞くので、メリケンでは川を走る蒸気船もあると聴きます、小型の物を購入し原理が、

分かれば、


大型船も作れるとおもいますがというとと、成る程さつそく長崎で調べてみようと、ときにそなたは高鍋藩の藩士であったと聞くがと斉彬がいうので、そうでしたが、今は、

浪々の身にございますと言うと、どうだわしに仕えぬかというので、どうも私目は宮使いは苦手で御座いますというと、欲のないやつよのう、しからば薩摩藩の食客とする、

別段出仕には及ばず、


ようがあれば迎えにいかせる、世に会うときは裃はいらぬがどうだというので、それなら喜んでお引き受けいたしますと返事すると、あい分かったといい、安部が世の屋敷、

に出入りするときも裃は不要じあと笑ったのです、溜まりの間を辞去すると薩摩藩の用人が小松帯刀にに御座る、これは当座の支度金で御座ると100両を渡したのです、


与力の青山がそなたの着ている羽織袴と裃は奉行からの下し置かれたものです、遠慮なくとっておきなされといい、しかし欲のない御仁ですなあ、いまどきそうそうこんな、

いい仕官の話しはありませんぞと笑ったのです、城を下がって長屋に戻ると、新之助の格好を見てみんなが驚いています、家に入ると仕官がかなったのですかと聞くので、


島津斉彬公の食客となったと風呂敷包みに入った100両を渡すと、それでは薩摩藩邸に住むのですかと聞くので、いや食客だからここでいいそうだ、用があれば使いが来る、

のでその時出仕すればいいそうだというと、斉彬公にお目見えできるとは少なくとも100石以上の禄高ですよと喜んだのです、兄上はちっとも嬉しそうでは有りませんねと、

いうので、


そんな事はないよと言うと、なんと言っても兄上は宮使いが苦手ですからと笑ったのです、暫くして小松から使いが来たので芝の薩摩屋敷に顔をだすと、小松の部屋に通され、

ご苦労に御座る、長崎に赴き蒸気船の購入の手はずを整えよとの事でござる、鍛冶職人の棟梁と職人が同行しますといい、部屋に招きいれると、薩摩藩出入りの鍛冶屋の棟梁、

で峰五郎と職人の梅吉にござると紹介したのです、


高杉新之助に御座ると挨拶すると、峰五郎と申しやす宜しく願いますと頭を下げたのです、明日薩摩の御用船が佃沖から大阪、長崎を経由して薩摩に向かいますそれに便乗、

してください、長崎では大浦屋という回船問屋が便宜をはかってくれます、また金寸も用意する段取りになっています、ひょっとしたら上海まで行く事になるかもしれません、

というので、


海外渡航は禁止ですよと言うと、特別に幕府の許可が下りています、非常の時ですから構わないとの事ですと小松が言ったのです、分かりましたそれでは明日に佃の桟橋で、

と屋敷を下がり、佐久間象山に事情を話すと、そうかそれは素晴らしい、是非国産初の蒸気船を作ってくれ、我が藩の真田公も島津公のように見識があればよいのだが頭の、

硬い茶坊主が回りを取囲んでいるからなあと言ったのです、


オランダの書物を渡し、これに蒸気船の事が詳しく出ているので、何かの役に立つだろうと渡したので、お礼をいい千葉道場に向かったのです、定吉と龍馬に事の次第を言、

うと、そうかそれは凄い、僕も行きたいよというので、構わないぞと言うと今から藩に届出を出してくるというので、簡単には許可はでないだろうと言うと、大丈夫だよ、

僕は自費江戸留学だから届ければいいのさと笑ったのです、


長屋に帰り妙に長崎行きの事を話すと、わかりました留守はしっかり守りますと言うので宜しく頼むと言うと、金寸が足りなくなったら知らせてください為替にて送ります、

というので、それは心配ない薩摩藩がすべて用意する事になっているよといったのです、翌日佃の桟橋に行くと龍馬と峰五郎、梅吉が待っており、小船に乗って御用船に、

乗り移ったのです、


船は帆を上げゆつくりと江戸湾を出て行ったのです、船は順調に航海して港、港によりながら大阪に到着したのです、ここで蔵屋敷から薩摩に運ぶ米を積み込み明日の出航、

になるので、陸に上がり大阪の薩摩屋敷に泊る事にしたのです、風呂に入りサツパリして皆で町に出かけたのです、居酒屋に入り酒とふぐ料理を頼んだのです、


峯五郎が始めて大阪に来ました、さすがに西の台所ですねと人の多さに感心しています、龍馬がふぐ料理での一杯は最高だよと喜んでいます、まだこの時期は京、大阪も平穏、

な時期だったのです、しかしこれから暫くすると天誅という殺戮の嵐が吹き始め、幕末の血生臭い時代に突入するのです、龍馬も新之助もよもやそうなるとは夢にも思って、

いなかったのです、


歓談して酒を飲んでいると表で喧嘩だほ喧嘩だと言う声がしているので外に出てみると一人の町人に二人の浪人が刀を抜き人にぶつかっておいて知らん顔とは許さんというと、

何を言ってるんであめえさんがわざとぶつかったんだろう、それで俺をゆするつもりかというと、いわせておけばと刀を振りかぶったので、龍馬が往来で刀を抜くなんぞは、

人迷惑なやめろ、やめろと言うと、


引っ込んでいろと刀を振り下ろしたのです、龍馬が鞘で手を打ち刀を落としたので小股を蹴り上げもうひとりの男の手も鞘で叩くと刀を落としたので、拾い上げ上段から振り、

降ろしたのです、刀は下帯を切り裂き、浪人はひえ~と言って立ち上がり一目散に逃げて行ったのです、喧嘩相手の町人がありがとごぜえやす、あつしは江戸吉原会所の彦八、

というもんでございやす、危ないところありがとうごぜいやすといったのです、


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