十二番目の志士2 長屋に帰ると妙が出迎えお兄様大丈夫ですか、皆はあの大砲の音を聞いて毛唐が江戸に攻めてきた早く逃げようと大騒ぎなんですよと言うので、皆を集めてくれといっ


十二番目の志士2


長屋に帰ると妙が出迎えお兄様大丈夫ですか、皆はあの大砲の音を聞いて毛唐が江戸に攻めてきた早く逃げようと大騒ぎなんですよと言うので、皆を集めてくれといった、

のです、皆が集るとあの黒船はメリケンという国のもので攻めて来たのではない、メリケンの将軍から公方様への手紙を届けに来たのだそうだ、あの大砲の音は礼砲といっ、

て、


友好のしるしに11発を空砲で撃つのだそうだから、江戸に上陸する事はないので安心しなさいと言ったのです、たまたま品川沖に釣りに出かけて会ったのだ、あの黒船に乗り、

話しを聞いて役人に知らせたのだよ、今日は大漁だったので皆に大型のアジとカレーを上げるので夕食のおかずにでもしてくれと言うと、妙がみんなに渡したのです、


それでは湯にでも入ってこようと妙と一緒に家を出て直ぐ傍の玉の湯に行き、新之助は男湯に妙は女湯に入ったのです、中に入ると新之助様あの黒船に乗ったのですって話し、

を聞かせてくださいと皆が言うのて、湯からあがったら話してやるよといい湯殿に行ったのです、お湯に入りサツパリして出てくると主人の正造が酒と肴をのせた、膳を差し、

出し酌をしたのです、


一口のんで先ほどの話しをしたのです、奉行は長崎へ回航するように言っていたが、親書を受け取るまで江戸湾に居座るだろう、幕府は受け取るしかないだろうと言うと正造、

が何が書いてあるのでやんすかねと聞くので、おそらく江戸近くの港を開港してメリケンの船に補給が出切るようにするつもりだろう、なんと言っても風がなくても走る船を、

持っているのだからなあと言うと、


その水車みたいな物はどうやって回すのですかねと聞くので、オランダの書物に出て来る蒸気を使っているのだろう、ほれヤカンのお湯が沸騰すると蒸気が出るだろうあれを、

水の変わりに水車に当ててまわして、外の水車が回り船が進むというわけだ、あの黒船の煙は大きなヤカンを炊いている煙だろうと言うと、今頃は幕府のお偉いさんは大騒ぎ、

していることでごさんすねと正造が言ったのです、


その頃江戸城内では老中が集りいつ果てるとない議論をやっていたのです、老中首座は阿部正弘であり鎖国をしているので長崎に回航して親書は渡すように使者にいいつけた、

のだが、ペリーはここで受け取るようにいい話は平行線のままだったのです、豪を煮やしたペリーは使いの者の目の前で小さな岩礁めがけて大砲8門を発射するとその岩礁は、

木っ端微塵になったのです、


その威力に驚いた使者が老中に話し、彼らの大砲はとてつもなく威力があり、海から江戸城を砲撃すれば簡単にとどく事を言ったのです、浦賀に停泊しているペリーは交渉、

相手が身分が低いと親書の受け渡しを拒否し、再び江戸湾を品川まで行き上陸して直接将軍に渡すというので、浦賀奉行が船に出向き直接親書を受け取ったのです、ペリー、

は一年後には再び来る事を告げ、


帰る前に最初に会った高杉新之助を連れてくるように言うので、何の為だと聞くと彼にこの船を案内したいのだと言うので、明日連れてくるといい親書を受け取り奉行は、

帰っていったのです、翌日使いが来たので浦賀奉行所に行くと与力とともにペリーの元に向かったのです、船に上がるとペリーが親書は渡した明日帰国するのでその前に、

この船をすべて見せようといい、


仕官に案内させたのです、大きなポイラーから蒸気タービンを見せられ新之助は仕掛けの大きさにビックリしたのです、ひととおり見学してペリーの元に戻り、凄い仕掛け、

だと言うと、ペリーがこの国もあのような物が作れるようにならなくてはならない、その為に早く開港するのだと言ったのです、船を下りると、ペリーはイカリを上げ帰っ、

ていったのです、


これよりも前に頻繁に日本近海に外国船がおとずれる事が起きていたのだが、蒸気船は初めての来航であった、幕閣はただおろおろするばかりで有効な意見も出なかったの、

です、安部正弘は広く国内に意見を求める事にし、武士、町人といわず意見のある者は届けるようにしたのです、今まで政治に参加する事を許されていなかった外様大名は、

喜んだのです、


しかし広く世の中にペリー来航が知れ渡り、攘夷論が国内で段々高まり外国を追い払う力のない幕府の権威は地に落ち国内が騒然とした騒ぎになっていったのです、外国の、

知識を得る為に、漁船が難破してアメリカの捕鯨船に助けられてアメリカで生活していて日本に戻って来ていた、土佐の漁師万次郎を江戸に召還し旗本待遇として話しを聞、

く事にしたのです、


そんなある日千葉道場に顔を出すと、同門の坂本龍馬が新之助黒船に乗ったそうではないか、その時の状況を教えてくれというので、稽古が終ったら何処かで話そうといい、

承諾したのです、門人に稽古をつけると一人の見慣れない男が座っており、一手ご指南をと立ちあがり、旗本佐々木源蔵で御座るといったのです、竹刀を中段に構えると、

中々の腕の持ち主のようです、


打ち合うも中々決まらず、これまでで御座ると声をかけ竹刀を仕舞い一礼して防具を脱いだのです、相当の腕の持ち主と見ましたがどちらで目録をと尋ねると神保町の戸田、

道場で御座る、高名な千葉道場の教授を受けたく定吉先生に頼んで出稽古に来たしだいです、噂にたがわず新之助殿の腕は中々のもんです、あのまま続ければ簡単に捻られ、

た事でしたと笑ったのです、


井戸水で汗を拭いて定吉の部屋に行くと娘の糸がお茶を差し出し、相変わらずいい腕だと定吉がいい、ところで今後わが国はどうすれば良いと思うかと聞くので250年も鎖国、

をしてわが国は随分外国と色んな事で差がついております、まずは開国して外国の知識を学びそれに勝物を作り、外国と張り合うしかありませんと言うと、剣では無理かな、

と聞くので、


一対一なら剣は威力がありますが、集団で戦うとなるとそうは行きません、かの宮本武蔵のような剣の達人でも関が原の戦いでは何の役にもたたなかったといっておりますと、

答えると、新之助そのような事を他人に言ってはならない、言えば国賊として危害を加えられる恐れがある、お前みたいに素直に事実を認めるものは少なかろうといったの、

です、


新之助があの船を見てこれからはエゲレス、メリケンが力を持ってくるでしょう、何としてもオランダ語ではなくエゲレス語を覚える事が大事だと思いますというと、定吉が、

それなら、土佐藩から中浜万次郎と言う者が旗本として幕府に召抱えられたそうだ、漁船が難破してアメリカの捕鯨船に助けられメリケンで長らく生活しており、エゲレス語、

は得意だそうだ、


龍馬の知り合いだそうだから紹介して貰うがいいと言ったのです、ところで龍馬は何処に行ったのですかと聞くと、多分佐久間象山のとこだろうと言うので、ああ、あの奇人、

と言われる蘭学者ですかと言うと、外国を知れば彼は奇人ではないのかも知れんぞと定吉が言ったのです、それでは私も象山先生の所へ顔を出してきますと道場を後にしたの、

です、

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