第100.5話 ほそくてき

 息子が結婚する、いつのまにかそんな歳になっていることに時代を感じています。


 俺はユウキ、パークではシロで通ってる。



 式は図書館で挙げられることになった、当然と言えばそうだろう、だって息子の妻になる相手は彼女…。


「よ、よろしくお願いします… シrお、おと、お義父様…!」


「ほら助手、無理しないでいつも通りシロでいいって?」


「すまないのです… 正直シロも保護対象のようなものだったので今更義理とは言え父親のように扱うのにどうも違和感が…」


 だろうさ?俺もだよミミ子くん。


 クロと結婚するのは博士と共に俺に対してワガママと暴走の限りを尽くしてきたワシミミズクの助手である、悪いやつじゃあないんだが… これからどう接したらいいのか若干や困る相手さ?


 でも…。


「ありがとうね助手?帰ってきたころまるで脱け殻みたいだったクロが元気を取り戻したのは間違いなく助手のおかげだ、驚いたけどこれからもクロを頼むよ?あと孫楽しみにしてるから頑張って図書館揺らしてね?」


「気が早いのです!?/// 私もクロもお前達のようにがっついてるわけではないのです!でもまぁ… 任せておくのです?クロには私もたくさんのものを貰いましたから」


 ありがとう、頼もしいね?


 しかしがっついてないだぁ?知ってんだぜ俺ぁよぉ~お?賢き者から聞いているんだよぉ~!助手さんよぉ!?



 よし、その話をしよう。



 それでは、今日もたくさんのお便りが届いています!まずはこれ!



“「聞きました!」

 投稿者 超絶偉くて賢いパークの長


 私の耳に狂いはないのです!後で聞いた話ですが、どうやらプロポーズを受けたその日の夜だったようなのです!なにやら会話が聞こえてきました…。


「ミミ?恐くない?」


「今更私に恐いものなど…」


「でも震えてる、無理しないでいいんだよ?僕はなにも恐がらせてまでこんなことしたい訳じゃないんだ… ゆっくりでいいんだよ?焦らないでさ?」


「いいのです!大丈夫なのです!それともクロは、やはり私では満足できないのですか?私では… 」


「そんなわけないよ…」


 ゴソゴソ… バサバサ… スルスル… と服が一枚一枚脱がされていく音がしたのですよ!わかるのです!ちゃんとドアの前まで行って聞いたのです!


「わぁ…」


「クロ、あの… あまりジロジロ見られるとさすがに…///」


「こんなに綺麗な体してるのに、よく自分のことおばあちゃんだなんて言えたね?」


「あの、クロ…?優しく、優しくしてください…///」


「努力するよ…」ゴクリ


 そうなのです、助手は脱ぐとスゴいのです!魅惑のボディなのです!お前ほどの男が見誤りましたねシロ?

 

 そこからは言うまでもないのです、甘い吐息と吸い吸われるような音ぉ~!苦しみ痛みの混じったような声はだんだんと艶のある快感の声に変わり、お互いを呼び合い、二人はその晩深く深く溶けていったのです!


 孫は目前ですよ!シロ?かばん?”


「はい、おかげで息子を見る目が少し変わったよ… ありがとう博士ぇ?」ギリギリギリ 


「アーッ!?ナズェシメツケルノデスゥ!?」


 要は完璧なのさ、クロは幸せそうだ。




 次に母のことを話そうか?


「ユウキ~?かばんちゃ~ん?ママが来ましたよ~?」


「母さん、よく来たね?」

「遠いところからありがとうございます」


 父に連れられて現れたのは母… ホワイトライオンのフレンズだ、通称ユキ。


 現在は外の世界で父と仲良く暮らしている、もちろんミライさんを筆頭とした厳重な保護の元だ、二度とあのようなことは起きてはならない。


 最も俺はこの通りだし、二人に子供がいない今は父さん達に俺ほど迷惑をかける事と言うのはそうないだろう


 母は娘シラユキと分離を果たし見事復活を遂げている、その姿はかつてと同じく白く雪のように美しい。

 フレンズなのでなんとも言えないところだが、この人に成人しそうな孫が二人もいるのか?という見た目をしている、父さんの娘… いやユキのお姉ちゃんと言っても違和感の無い若々しさ、若奥さんでいいですね旦那さん?なんて皮肉を心の中で言ってみる。


「はわわ~… それにしてもクロユキちゃんが結婚ですか、もうそんなに経つんですねぇ?二人ともすっかりパパとママに慣れたものですね?」


 なんてことを言いながら俺達夫婦をまとめてハグする母、その俺も遺伝している白くフワリとした髪がくすぐったい、だが母の温もりというのはなぜかこういくつになっても安心感があるものだ。


 母がユキと分離したのは子供達が12歳くらいの頃だった。


 年々成長していくユキはだんだんと自分の中の母の存在に気付き始めた、母もそれに合わせてユキと話すようになっていき、野生の使い方を丁寧に伝授していった。


 ユキがすっかりなれた頃、カコ先生は二人のサンドスターを分ける方法を見付け、分離が更に現実に近づいていく。


 先生は言った。


「ユキちゃんを救うにはまずユウキくん、それからクロユキくんにシラユキちゃん… 三人の力が必要になるわ?そしてナリユキくん、例の物はあるかしら?」


 つまり家族の力で母は救われる、家族を守ってきた母を救うにはやはり家族の力で助けるべきだと俺も思う。


 そして父は先生に言われた通りその“例の物”を取り出した。


 白い布に丁寧に包まれていた物、それは?


「ユキがサンドスターを失い元動物に戻った時、その体もまた脱け殻のように起きることはなかった、そこにはホワイトライオンの遺体だけが残ったんだ… そしてこれは、それを火葬にした後に残った“遺骨”だ」


 母の元になった体の遺骨… つまりこれは母その物である、こんなものがあると俺はその日初めて知った。


「こんなこともあろうかと、私が厳重に保管していました!」


 とミライさんが後ろでグッとガッツポーズを決めている… なるほど、ミライ帝国のお宝となると俺が知らないのも当然だ。

 

「いいわ… 近頃熱心にシラユキちゃんにサンドスターコントロールを教えていたのは、シラユキちゃんが自分のサンドスターとユキちゃんのサンドスターを体内で分けられるようになるためよ? …シラユキちゃん?どうかしら?」


「分かる… 私に動かせるサンドスターと動かせないサンドスターがある…」


 ユキには母のサンドスターが動かせなかった、なぜならそこには母の意思があるから。


 昔俺がユキにコントロールを教えた事があるが、クロがあっさり習得したのと対極にユキにはまったく使えなかった… 循環させる段階で躓いて拗ねてしまい、やがてやめてしたった。

 使えたらなんだ?っていう訳でもないから無理にやらせはしなかったが… 恐らくそもそも母の関係で上手く循環出来なかったんだろうと今は思う。


 そしてここまできたら俺とクロの仕事だ。


「いい二人とも?クロユキくんはシラユキちゃんが集めたサンドスターがユキちゃんと混ざらないように体外に引っ張りだして?

 それからユウキくんは、シラユキちゃんの体に残るユキちゃんのサンドスターをひとつ残らずその手に集めなさい、お母さんのことを… 今度はあなたが救うのよ?」


 母さん、ずっと俺を助けてくれた母さん。


 今度は俺が助ける番だ、俺のせいで母は体を失ってしまったのだから…。


 原理として、集めた母のサンドスターは父の持ってきた遺骨に当てることにより体が再びフレンズとして再構築される。


 わりと単純だがこれがカコ先生の考えた母とユキの分離、でもこれは俺やクロの体質をよく知った上での理論… 始めからここにあった答えを先生が分かりやすく教えてくれただけだ。


「サンドスターの吸収能力を持ち、人間の体とフレンズの体両方を併せ持つあなた達家族だからできる方法よ?」


「あのカコさん?僕にも何かできることはないですか?」


「そうね… サンドスターを一時的とは言え出しきってしまうからシラユキちゃんには少し負担がかかる、かばんちゃん?あなたはシラユキちゃんが倒れないようにしっかり支えてあげて?」


「わかりました!」


 家族のことは、家族全員で救い出すんだ。


 先生が方法を見つけ、父が遺骨を持ってくる、そしてその遺骨はミライさんが守っていてくれたからここに存在している。


 そしてユキが母をその体に宿していてくれたから、俺とクロの力で引っ張り出す事ができる…。


 かばんちゃん?そもそも君がいなければ子供達には会えなかった… 君のおかげでまた母とまた会えるようなものだ。


 だから、ありがとう。


 ありがとうみんな!



「ユキ?クロ?頼む、母さんを… おばあちゃんを助けたいんだ、パパに力を貸してくれるか?」


「「任しといてよ!」」


 その時から既に涙が出てきそうだったが。


 でも…。


 泣くのは母を助けてからだ!


 

 ユキはその場に瞑想するように座禅を組み目を閉じて深呼吸をする… 妻は後ろでユキの両肩に手を置き、リラックスするように促している。


 両手を広げたユキは右手に自分のサンドスターをありったけ集め、やがて輝きを灯し燃えるようにユキの右手が輝きを増していく。


「できた、これで全部!クロお願い…!」


「わかった!」


 ユキはサンドスターコントロールの技術がまだ未熟で、移動こそできるが長く持たないし自ら外に出すことができない… だから代わりにクロだ、クロにユキのサンドスターを引っ張り出してもらいそれが逃げないように維持を続けてもらう。


 そして残るは母さん、それは俺が!俺がこの手でその手を掴む!


 サンドスターが抜けることでユキはフラッと意識を失った… 妻は倒れぬようにユキを支えて、その間に俺はユキの左手を握り母のサンドスターをこの手に集めた。


「母さん?でておいで?」


 やがて俺の手には光が球体になり集まる、凝縮され密度が濃いのがわかる


「パパ、それで全部だよ?」


「わかるのか?」


「うん?輝きが見えないから、今のユキはただのヒト」


 クロの目の色が逆転している… 白目の部分が黒くなり、瞳は赤い。


 そうあれはクロだけが持つ“反転”という能力、サンドスターロウモードは半セルリアン化することでセルリアンの力が使えたりフレンズの持つサンドスターを目視することができる、それにしてもいつの間に使いこなせるようになったんだ?


 この能力は先生が言うにはオセロのようなものだそうだ。


 さておき、俺は空っぽになったユキにはサンドスターを返すようにクロに指示した。


「どうやって返すのかな?ん~… 口に入れてみるか!はい、あーん?」


「こらクロ!普通に手に戻してあげればそれでいいんだよ?ふざけてないで真面目にやりなさい?」


「はーい…」


 バカやって、かばんちゃんに怒られる息子。


 そこ!茶番劇繰り広げんな!まったく…。


 気を取り直した俺は父の前に立ち、母の元となった体の遺骨に母のサンドスターを当てる、頼む成功してくれ!


「父さん!」


「あぁ頼む… 戻ってこいユキ!」


 


… 

 



 そして今母が… 母が間違いなく俺の目の前にいる。


 こうして俺を抱き締めて笑いかけてくれる。


「母さん…」


「なぁにユウキ?」


「ううん… なんでもない」


 幼い頃の寂しさはようやく終りを告げた… 今までのことを思い出すと、寂しかった時のことも同時に走馬灯のように流れ。


 

 俺はまたぎゅっと母を抱きしめた。

 

  


「ユウキ、母さんばっかりかお前は?このマザコンめ」


「俺が3才の頃の話またしようか?」


「ハハッ冗談だ怒るなよ?ちゃんと自分の娘も抱き締めてやれ?」


 父ナリユキも、ずいぶん歳をとったんだなって思う。


 背が高く研究員のわりにがたいがよかった父、その背中はこんなに小さかっただろうか?昔は大きくて大きくて、俺は一生この背中を追いかけるのかな?と思ったことも少なくない、でも今はなんだか俺も大人になったということなのかな?と感じる。


 そして、その大きな背中に隠れる髪の白い女の子がいる… が出てこない、照れてるわけではあるまい。


 顔を合わせにくいのだろう、ここは父親として俺から言ってやらないとな。


 だって三年ぶりじゃないか?


 そうだろユキ?


「ユキ…?おかえり」

「ユキ?顔を見せて?」


 何も言わずゆっくりと父の背中から姿を見せると、俺達夫婦にとってもなつかしい姿を見せてくれた。


「パパ、ママ… ただいま!」


「よく帰ってきたな?」

「ちゃんと元気にしてた?」


「うん…!」


 美人になったじゃないかユキ… なるほど、恋する乙女ってやつか?そのうちユキは“彼”を連れて俺達の元に挨拶にでもくるんだろうか。


 複雑だが、それが娘の幸せなら喜んでやらないとならない。


「パパ… ごめんなさい」


「なぜ謝る?」


「私、自分のことばっかりでパパのことちっとも考えてなかった… パパは昔酷い目にあったから、それで私のこと心配してくれてただけなのに…」


 ユキは、反対を押しきって出ていったからな… まぁ“勝手にしろ”なんて勢いで言ってしまった俺も悪いだろう。


 そうさ、未だに向こうではちゃんと認められていないフレンズ、だからユキには俺と同じ心のキズを負ってほしくなかったんだ。


 でも、お節介なんだよな…。


 ユキが自分で選択して進んだ道なんだ

 ユキは俺じゃない、ユキはユキなんだから、俺にはユキ止める権利などないんだ。


「彼とは、どうだ?」


「えっと… 順調だけど…」


「あんまりワガママ言って困らせるなよ?でも、あんまり遠慮することもない… 彼もお前が好きならもっと頼られたいと思うだろうから?あとたまには顔見せろよ?パパもママも寂しがり屋なんだ」


 俺が怒ってないとわかるとずっとモヤモヤしてたものが晴れたのだろう、泣きながら飛び付いて「ごめんなさい」と繰り返すユキ。


 大事な娘だもの、俺だってちゃーんと応援してるさ?


「いいんだよ?ユキが幸せならパパも幸せだ、だから帰りたい時はいつでも帰っておいで?ここには家族がいるんだから」


「うん…」







 それにしてもパークもずいぶん人が増えた、ミライさん関係の人もだけど、たまーにその人達の家族だとか?それから記者の人だとかまぁいろいろだ。


「シロさんかばんさん、クロくんのご結婚おめでとうございます!」

 

 とそこに現れた白黒模様の方はおっぱいのお姉t…じゃなくて。


「やぁフリシアンさん?クロのためにご出席ありがとう」

「ありがとうございます」


 深々と夫婦揃い頭を下げてお礼を言った、なんとこちらのフリシアンさん… 原材料既に既婚である、まったくどんなおっぱい星j…誠実な方かな?気になるだろう?


「旦那さんとはどう?順調?」


「はい、おかげさまで!私の時もウェディングケーキとたくさんのお料理ありがとうございました!」


「いえいえお安い御用だよ?あ、そうそう?実は旦那さん宛に手紙を預かってるよ」


「まぁ、どちらから?」


「偉い人だよ」




“ ケージュさんへ


 この度はフリシアンさんプレゼントキャンペーンにご応募ありがとうございます。

 いつも応援と素敵なイラストを頂きこちらとしてもやる気に繋がっておりました。

 こうして完結に至ることができたのもケージュさんを始めたくさんの応援を頂ける読者の皆様、他にもチラホライラストなどくださいますファンの皆様あってこそでございます。

 なのでこの場を借りてお礼申し上げます、本当にありがとうございました。


 では、見事早い者勝ちで当選されたケージュさんにお礼と言っては難ですがフリシアンさんと結婚して頂きました、どことは言いませんがむしゃぶりついてやがて孕ませてください。


 ニコニコ動画の方で公開中の動画

 ケージュさん作 「フレンズの翼」 こちらも続きを楽しみにしております。

 

 リーンの翼が好きな人は見るべき。


 ケージュさん作 ファンアート↓

https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=69009588


 気分屋より”



「じゃあ旦那さんにもよろしくね?」


「は~い♪」タユンタユン


 なんかあれだな、変な話人妻だと思うと余計になんかこうエロいとうか… 永遠にけしからんなぁあの人はまったく。


「シロさん?」ギチチ


「アイタタタタタ!?かばんちゃん!お尻の肉がちぎれるよ!ナズェツネルンディス!?」


「鼻の下が伸びてます」


「えへへ… めんごめんgあぁ!?イタタタタタ!?ごめんなさい!ごめんなさい!」


 みんなも、素直なのはいいがあまり表情に出して嫁さん怒らせるなよ?キラッ☆



 とまぁ、こうして男性の介入によりフレンズとそういう仲になる人もいるわけだ。


 例えばあちらをご覧ください、キタキツネちゃんが誰かの腕にしがみついてるだろう?


「ねぇ~ペロ~?対戦ゲームしようよ~?」


「あぁいいとも、ただし俺が勝ったら夜の対戦相手になってもらうからね?」


「夜の対戦ってなに?」


 ただならぬ雰囲気だ、そこになにかを察知した保護者のギンギツネさんが立ちはだかった、彼をキッと睨み付けている。


「またあなたなの!?キタキツネから離れなさい!」


「誤解しないでくれよギンギツネさん、もしかして… ヤキモチかな?いいともなら今夜は君と」肩抱きぃ


「もう!なんなのよあなた~!?///」ワナワナ


 ん~愉快だね?でも、手を出すのは一人にしないと問題が起きるから気を付けようね?


※ペロさん応援ありがとう、約束のキツネ丼だよ。 気分屋





「シロさーん!ちょっと手伝ってほしいのだぁ!?」


 あたふたと同時に4つのフライパンを使い料理を作るのはアライさん、なんだあれすごいなぁ、流石にあれは俺もできない… って大変だ手伝ってあげないと!


「ちょっとちょっと大丈夫?無茶してどうしたの?」


「フェネックが少し外してるのだ!そしたらなぜか見計らったように皆料理に群がり始めたのだ!」


「なるほどね… 彼女もモテるねぇ?」





「も~君もしつこいなぁ?アライさん一人じゃ心配だからさ~?手短にしてよ?まっすーくん?」


「フェネックさん!今度デートしましょう!」


「はいはーい、また今度ねー?」


「あの… やっぱり僕じゃあダメですか?」


「ダメなんて言ってないでしょー?だから~“また今度”って言ってるじゃーん?ちゃんと楽しませてよね~?」


「…!?はい!任せてください!」


 なるほどつまり青春… フェネックちゃん、彼女も前はクロが好きだったらしいね?息子が迷惑かけたね、でも一度でも愛してやってくれてありがとう。


 いつか幸せになってね?


※まっすーさん、約束のフェネックちゃんだよ?でも結婚までは自分で何とかしなさい。

気分屋






 さてそんな感じで式はバタバタと、あちこちで別の恋の匂いを振り撒きながら進んでいったわけだ。


 そして待望のブーケトスの時間がやって参りました、今回受けとるのは誰かな?


「お前たちに幸せを分けてやるのです、ありがたく受け取るのです!」ポイー


 偉そうだなぁ助手… 勝ち組だからって。



 ブーケトスはやはりガチ勢がわちゃわちゃしたところで誰の手にも渡らない、無理して群がるから返って変な方向に弾き飛ばしてしまうのだ、空中戦やめろ。


 するとだ… やはり結局ストンと思いがけない人物の手に渡ることになった… ハッ!?


「え、私!?どーしよーママ!?」


「あはは… 挨拶はちゃんとしに来ようね?遠くて大変だと思うけど」


 それは娘、ユキの手に渡ったのであった。


 それは… あれだろ!ダメだろ!


「ダメだダメだ!結婚なんぞまだ早い!まだ学生だろうがぁ!」


「パパさっき私が幸せなら云々って言ってたじゃん!」


「えぇーいうるさい!責任をとれるのかちゃんと!しっかり自立してからにしろ!」


 学生結婚なんて許せるわけなかろうに!いい加減にしろこの家出娘!


「シロさん?僕達もっと若い頃に結婚しましたよね?」


「でもでもでもでも…」


「もぉ… シロさんって気分屋ですよね?」



 ハハハ… そりゃ、猫ですからね…。


 親猫ですから。



おわり

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