〔神の紙〕
メガネの女性は手一杯に持ってた資料を自分の机に置き、小走りで休憩室に向かった。
ソファーで気持ちよさそうに寝ている美しい桃色の髪の女性の腹に右ストレートを入れる。
「こんな忙しい時にネムはなんで寝てるの!!!」
女性はやっと起きソファーの上で目をこする。
「え〜〜。だって。眠いんだもん。」
「てなわけで、おやすみ〜」
毛布を体にかけ寝る体制に入る。
メガネの女性の怒りはすでに限界を超えていた。
拳に力を入れもう一度、腹にアッパーを入れた。それはプロレスラーのような見事なアッパーだった。
メガネの女性はネムの服を掴み、怒った口調で叱った。
「なんでネムは忙しくなると寝るの!!!」
「ちょっとは役にたってよ!!!」
ネムには声が届いていないのだろう。また、眠りに入っている。
気持ちよさそうに眠っているネムは建物の外に出される。
「この紙全部貼ってくるまで休憩はないんだからねぇ〜」
気がつけばネムはドアの前に横になっていた。
いつのまにか手には数枚の紙を持っていた。
その紙には大きくバイト募集と書かれた文字が書いてあった。
…☆…
ネムは半分寝ながらも重たい体を起こしヨダレを垂らしながら地面から数十センチ上へ浮く。
ここは何処なのか眠ってる頭を働かし路地裏を抜ける。
路地裏を抜けると雲一つない青く澄んだ空が見えていた。太陽がネムを照らしつける。
「眩しい...」
大通りに出たら人間の集まりや工事の音などでとてもうるさかった。
先程の静寂とは違い、ネムは爆音で目を覚ます他なかった。
目を覚ましたネムは大通りを見渡す。
神々は生まれながらにして生命のオーラが見えている。そのオーラは人間でさえ違うオーラを放っている。
やはり人間の中には人に
(数十年前は人通りも少なかったこんな所が騒がしくなるとはねぇー)
そんな事を思いながらもネムは言った。
「なんで紙なんだろ〜」
「今の時代、何をするにもネットなのに〜」
(しっかし、持ってると痛いなこの紙)
紙を持っている左手が火傷のようにヒリヒリ痛む。
痛みをこらえ大通りを進む。
ふと疑問に思う。
(この紙どこに貼れば良いんだろう?)
(アイツは特に何も言ってなかったし)
ネムは立ち止まり今後の事を考える。
(そこら辺に貼って、早く寝よう)
「ふぁぁあぁ」
神様のバイトをする事になったのだが…。 KT @jKT
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