神様のバイトをする事になったのだが…。

KT

〔神の仕事〕

「突然で、申し訳ないのだが皆さまは神様を知っているだろうか。


知らないかたがたの為に言うのならば、人間の叶わない領域にいる者。


全てを見通している存在だとも、言われている。


だが、しかし神様は本当に居るのだろうか、いたとしたらどういう神様なのか、気にならないかい?


おっと、すまないねぇ〜

熱く語りすぎてしまったかねぇ〜

さて、本題に入ろう。


これは私の娘、藤田莉央ふじた りおの話である。」


老人の声は消え、暗闇からまばゆい光と変わる。青い地球が姿を現し、空を超え、雲を超え、一人の女の子が見えた。


高校から帰っている途中だろうか、制服をきている。その子の歩いている後ろ姿がみえている。


綺麗な青のロングヘアがなびいている。


額には高価そうな白い花のピン留めが太陽の光を受け反射していた。


この先のことはその子に任せると言わんばかりの感じである。


「この春から高校生になった、私。

親のもとを離れて、念願の一人暮らし、

今のところは何事も無い平凡な高校生活を

満喫しています☆

最近のマイブームは放課後、友達とショッピングモールをフラつく事です。


でも最近、いろんな物を買いすぎてしまって、親の仕送りだけでは厳しくなってきています。」


歩いている足を止め、莉央は空を見上げた。これからの人生を歩んでいくかのようにこういった。


「バイトしなきゃな。」


…☆…


一方であるところでは、大騒ぎになっていた。


そこは、事務所みたいなところで何人もの若者たちがバタバタしていた。


上司達がハワイにでも行っているのかと思うほど忙しく働いていた。


奥には小さな休憩室があった。勤務中なのにソファーで一人の女性が気持ちよさそうに寝むっていた。


机の上には勝手に動いている立体模型や私たちが見た事もないような物が置いてあった。


若者たちが同じところを行き来しながら、メガネをかけた大人しそうな女性が怒ったような声を上げた。


「手が足りないから誰か手伝ってー」


当然、皆は耳を傾ける暇なく働いている。


「じゃあ、誰か手伝ってくれそうな人連れて来てよ!」


ソファーで寝ている美しい桃色の髪の女性はいきなり大声をあげた。


「いやぁーーーー!!」


皆が動かしていた手を一瞬止め、唖然としていた。


いろいろな音で溢れかえっていた事務所には数秒間、静寂が訪れていた。


若者たちは我に返り、また作業を始めた。




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