『凜ちゃんと梢ちゃん』生放送! 2
「さあさあやってまいりました。第2回凜ちゃんと梢ちゃんの生放送!略してりこちゃん放送!凜ちゃん。どうかなこの略し方?みんなに浸透するかな!?」
「さあ」
「辛辣!まあ気長に待ちましょうか。てなわけで前回に引き続き今回もやってまいりました!好評かどうかは置いておいて、こういうことは惰性でやることが大事なんですよ」
「・・・」どん
「今回は箱で持ってきたね。前は袋だったのに」
「・・・」ビシッ
「凜ちゃんはマスコットだからいいか。はてさて、今回の部活は~、これだ!」
ででん!
「ランニング部!メジャーかマイナーかわからない部活が来てしまったぞー。あ、ちなみに紹介する部活はくじで決めているぞ!」
「・・・」がさごそ
「さあ!入ってー頂戴!」
「失礼しまーす!」
「なんという元気な声でしょうねえ。自己紹介をどぞ」
「はい!私2年4組、
「そんな勢いよく挨拶されても私たちが戸惑うよ」
「・・・」こくこく
「ああ!すみません!ご迷惑でしたか?」
「いやいや。大丈夫だよ。声がでかいのは元気な証拠だよ」
「・・・」もちもち
「さ、いつまでもドアの前で立ってないで座りなよ」
「失礼します!」
「で、さっそくだけども。ランニング部ってどんな事をしてるんだい?まあ、名前から察せるけども」
「はい!私たちランニング部は毎日街のどこかで走ってます」
「たとえば?」
「はい!学校の周りや、マラソンコース。山なども時折走っています」
「・・・」ぽりぽり
「マラソンコースも走るの。でも、この学校にはマラソン部ってのがあるけどそことは違うの?」
「はい!マラソン部は大会に出ることが目的ですが、ランニング部は走ることが目的ですから。マラソン部もコースだけでなく、ほかの場所でも走り込みを行っていますよ」
「・・・」しゅわ~
「へー。じゃあ、ほんとに走るだけの部活なんだね」
「はい!もちろん。ランニング部に入っていながらマラソンに出ることも大丈夫ですし、先ほど毎日走っていると言いましたが、それは私と部長だけです。月曜以外は自由参加です」
「そうなんだ。そういえば、部長さんは来ないのかな?」
「部長は今日行っているハーフマラソンに出ています。スタートがお昼からだったので私が出ることになりました」
「今日やってるんだ。部長さんは、個人で走ってるのかな?それとも部活として?」
「個人ですね。部活はマラソン部が出ています」
「そっか。マラソンだもんね。そりゃマラソン部も出るか。あ!部長さんって個人で出てるんだよね。それって今日サボっ━━」
「あーーー!すみません今のなしで!」
「・・・」ビクッ、ゴトン。だばー
「あっあっ。ティッシュ!関さん、ティッシュ取って!棚のところ!」
「は、はい!」
「・・・」ふきふき
『しばらくお待ちください・・・』
「ふー、機材にはかかってなくてよかった~」
「・・・」こくこく
「すみません。私が大声を上げたばかりに」
「大丈夫だよ。元はといえば凜ちゃんが放送室にお菓子を持ってきてるのがいけないんだから」
「・・・」しゅん
「いえいえ、凜華さんのせいではありませんよ」
「ごめんね。ほら凜ちゃんも謝る」
「・・・すみません」
「いえいえ、こちらこそすみませんでした」
「関さんは人が出来てるねえ」
「私も聖人君主というわけではありませんよ?理不尽なことには怒りますし。そもそも部長がマラソンに出ないでここに来ればよかったのですから」
「おおー、関さんが笑いながら怒ってる」
「・・・」ふるふる
「大丈夫ですよ、凜華さんには怒ってないですから」
「・・・」こく
「もうこの話題は終わりです!さ、次に行きましょう!」
「そうだね!次に行こう次に!」
ピピピ、ピピピ、ピピピ
「?、この音は」
「ああ、時間か。この音はね?時間になったら鳴るようになってるんだよ。これが鳴ったということはこの生放送も終わりってこと」
「そうなんですか!えーっと、ランニング部!どうかよろしくお願いします!」
「私たちからもよろしくねー。関さん、今日はありがとうございました」
「私も、凜華さん、梢さん。ありがとうございました」
ばたん
「さあさあ!皆さんお別れの時間が来てしましました!時間が流れるのは早いですねー。次回があればまた!りこちゃんをよろしくね~」
「・・・」ふりふり
「凜ちゃん。今度お菓子についてお話しようね」
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