第2話
第二回目を御高覧頂き、まことに有難うございます。早速、次の魅力をと行きます。
が、しかーし。ネタバレを含みはじちゃうのよこれが。気をつけておくれ。
・友を救う
魔法の世界で自分を称賛した彼らは、どうやら私欲に生きる人々だったようだ。あなたの友達を拐った。返してほしくば花をよこせ。
花は自分の魔法の源「夜間飛行」だ。自分の落ち度から人を巻き込んでしまい、すぐに彼らのもとへ駆けつける。狡猾な彼らはメアリの持つ花を簡単に奪う。
大変なことになった。牢に閉じ込められると、先刻の動物たちは異形のキメラめいたものに変容していたのです。その内一匹は、メアリもよく知る自分を夜間飛行まで導いた猫でありました。拐われた男の子と合流し、動物たちを解放することができました。
ここの映像が良かった。動物たちの脱走は圧巻で、まあ楽しいこと。そこに紛れて逃げるメアリたち。
・一夜の英雄
今夜は魔法が使える。今夜だけなら彼らと渡り合える。もう少しで逃げられる、そのところで少年がまたしても捕らわれてしまう。
夜が終わる。また魔法が使えなくなる。ほうほうの体で箒に連れられるままたどり着いたのはどことも知れぬ家。そしてメアリは知ることになる。少年が人体実験にされそうなこと。自分の住む家にいたあの人が、かつて夜間飛行をもたらしたのだと。夜間飛行の花を手渡された。あともう一夜だけ、魔法を使うことができる、彼を助けられる。しかし、そうは上手く行かない。夜間飛行も先刻使用した魔法の本も奪われてしまう。さらに、箒まで砕けてしまう。そんな、自分を特異にしていた全てが失われたときに助けてくれたのは、先程の動物たちであった。窮地を脱し、校長たちのもとに行く。
校長たちの夜間飛行を用いた少年のキメラ化実験は今まさに終わろうとしていた。勝利を確信した校長たち。しかし、実験は思わぬ暴走を起こす。溢れだした魔法の塊が周囲を無差別に襲い掛かる。辺りは恐慌に包まれ、やがて校長も倒れた。
メアリしかいない。ここで動くのは自分しかいない。魔法はとうに失われたが、少年を助けられるのは自分だけなのだ。
魔法の本を使い、先刻の動物たちを救ったのと同様のことをした。今度は自分だけでなく夜間飛行の力を得ていた少年とともにだった。
メアリのもとには一つだけ夜間飛行が残っていた。そして、メアリには必要の無いものであった。それを捨て去ったことで、本当に最後となる魔法で家にかえるのだった。
・変容をとげる
環境の変容、そして魔法による変容を通して自身の居場所を作り出すのだ。前作『思い出のマーニー』ではストレスだらけの周囲を記憶の中から認識を変容させた。今回は魔法によって、と言いたいがいくつか重なりあった末に変容させたのである。自分の居る所は、最終的に自分がどうするのかによって決まる。
しかし、マーニーでは居心地の悪さと、それを変化させるための鍵が自身の内側にあることに比べると、今回のそれは上手く繋がっているように思えないのも事実です。また、メアリ以外のキャラたちが魅力などの個性が希薄であることは否めません。それ故に、映画におけるグラデーションの鮮やかさを欠いているのではないかと思いました。
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