第25話 たぶん引退かもしれんもんで

こんばんわ

サンドバッグ代わりにタイプライターを叩く

饒舌なヘミングウェイ気取りにして変態野郎の私です。


散々ハブられアピールをしてきた私ですが

思い当たる節は多々ございましてね~


格闘技はもうできないと思うので、

ヘタレ野郎の手の内を明かしますが、


私がやってたのは

「相手のミスにつけ込む」

ただそれだけです。


相手が図に乗った瞬間とか、

苛立って判断力が鈍った瞬間を狙ってただけです。


ジムのスパーリングの話なので、

試合になったらまた勝手は違うと思うのですが、

アレっすよ、


ジャック・ジョンソンとかたこ八郎がやってた使い古された手口です。


使い古された手法ではありますが、

ド田舎のレベルの低いジムでは実に有効な手段で、

気付いていたのは最後にいたジムの会長だけだったと思います。


あんまりアレなやり方だったので、

ジム内の雰囲気とかもあって、若い人には教えてなかったのですが

こういう事を研究してる人というのは

地方じゃ見た事がありませんでした。


おそらく皆がみんな、私のことを

「首相撲だけに頼ったパンチ軽視のムエタイかぶれ」

たと思っていたことでしょうが、

私が何かしたんじゃなくて、

常に相手が勝手に自滅していっただけの話です。


レベルの低いシナリオを書くのと同じで

相手を自分が望む結論にハメるって事です。


実際問題、体力に劣り才能も無く、気も小さいときて

でもどうしても強くなりたいと思ったら

取りうる手段は他にありませんでした。


まぁアレですね、もう格闘技は辞めます。


いろいろ不満とか悪口を書きましたが、

私のキックボクシング歴はそんな不遇じゃなかったと思いますよ。

こんなやり方を許してくれるのはキックボクシングだけだったのですから。


私の闘争原理はネガティブなものでしたが、

それを周りに伝染させて、相手の精神を蝕んでどうにかするとか、

そんな事はもうありません。


38歳の終わりまで、やるだけの事はやりましたからね~

まぁいいんじゃないでしょうか。

うんうん。


(※某所からの転載です)

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