第21話 「うどん谷ナナ子さん第3話」について
Pixiv上にて新作劇画「ゴーゴー少女!うどん谷ナナ子さん」第3話を公開しました。
ヒマがある人はテキトーに見といて下さい。
まず、この作品を描くにあたり範にとしたのは国産格闘技漫画ではなく、
「ミリオンダラーベイビー」という米国のボクシング映画です。
「読者のニーズ」とか読者アンケートの意見が最優先される、
エスカレートする読者の欲望を充足し続けるための装置でしかなくなった日本の商業漫画には
おそらく到達し得ない表現が、その映画にはあったのです。
その表現とは何だ、と思われる方はいっぺんこの映画をご覧になることを勧めします。
いくつかの格闘漫画を読みました。プロ・アマ問わずです。
しかし、それらはいずれも理論か技の応酬に終始しており、
中には、ほとんど作者の願望と妄想だけで描かれたようなものもありました。
漫画なのですから、誇張表現はあっても良いとは思いますが、
キックボクシングをかじって来た私にとっては、
彼らの表現はどうにも納得のいくものではなく、
「さすがにこいつらに格闘技を語らせるのはどうなのよ」と思って
今作を描き上げた次第です。
内容ですが、技術論とか解説的なアレは徹底して省いてあります。
本作の中でうどん谷ナナ子が使ってる格闘技術については
もしも疑問があるようでしたら、実地で痛い目に遭って検証してください。
「うどん谷ナナ子」について
うどん谷ナナ子の異常に意地汚くて粘着質なファイト・スタイルは、
2000年頃にタイ国ラジャダムナン・スタジアムに新設されたミドル級の王者「ウォーレン・エルソン(Warren Elson)」選
手がその原型です。
確か当時の新日本キックのミドル級王者であった小笠原仁選手を徹底した首相撲からの膝蹴り攻撃で圧倒していたと思い
ます。
ウォーレン・エルソン選手の試合は、今もYoutubeで見る事ができます。
この子には、私自身の特徴をいくつも分け与えてあります。
外観で言ったらこの鬼マユ毛とかそうですし、
異常に短気でキレやすく、常に周囲に対して攻撃的で知能低めのところとか、
あと、キックボクシングの戦法なんかも、まぁだいたい私のやり方です。
もちろん、弱点なんかもそのまま私の弱点がこの子の弱点です。
私は身体的精神的・格闘センスも劣るので、キックボクシングを始めた当初から、
前述のウォーレン・エルソン選手を理想として修練を積み重ねていました。
ソムチャーイ高津神を知ったのはその後です。
すでに神は全盛期を過ぎた頃であったと記憶していますが…
当時向かうところ敵なしだった桜井洋平選手のノックアウトされているのを試合会場で見たような記憶があります。
多分…格闘技の技とか華やかなところとか、カッコいいところだけ見ていては、
本当の感動を知ったり、格闘技の本質を知ることはできないでしょう。
「読者のニーズが~」とか「読者はそんな事を求めてない」というのは簡単ですが、
その資本の側に身も魂を売り渡した怯懦な理論が罷り通った挙句の今の日本社会は何だと言うんです?
欺瞞と弱い者イジメが蔓延しているこの状況を誰が作ったと思っているのです?
私とあなた、みんなです。私たち大人の責任ですよ。
いい加減に欲ボケしたそのツラを洗って目を覚ましなさい。
最後に。
私の信奉する梶原一騎先生が
「フィクションに救いを求めるな」
という趣旨の発言をしていたと思います。
今の書き手も、読み手もが忘れてしまった考え方だと思います。
今どきの漫画、とりわけ格闘漫画に必要なのは梶原イズムです。
以上です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます