第16話 少年時代に

実は最近メルカリにはまってまして、昨日は中学生の頃使っていた剣道の防具が売れました。


少年時代の嫌な思い出の詰まった防具が目の前から消え失せて清々した気分です。


私の中学の剣道部の顧問は、試合で自分のチームが負けると苛立ち紛れに

女子の選手に蹴りをくれるような先生でした。


先輩も意地悪な人が多かったですね。

ただ威張りたいだけの人ばかりでした。


同輩もクズ揃いで、特にレギュラー争いは熾烈なもので、

私が部活以外に街場の道場に通いだして、実力を付けてくると

レギュラー君たちは結託して私を蹴落とそうとし、

私が道場帰りにゲーセンで遊んでるとか、

グラウンド50周走るよう命じられたのに30周もしていないとか、

そう言う噂を先生に吹き込むようなアホ共でした。


まぁ人生の早いうちにそういう経験をすると、

歪んだ心はもう元には戻りません。

喧嘩して裂かれた猫の耳が変な形にくっついて元の形に戻らなくなるみたいなもんで。


今も格闘技を続けているのは、

あの頃の嫌な思い出とか

また周囲の心無い人達によって理不尽な目に遭わされるかもしれない、という

強迫観念みたいなものに苛まれているからです。


格闘技はもう何回もやめようとしたのですが、結局、今も辞められないままでいます。


ですから、日本武道の大好きな「人格形成」というのはこういう事なんだと理解しております。


今も。心の痣が消え失せたわけじゃないんですよ。

ステイタスや趣味や道楽で格闘技やってる奴を見るとイライラします。


いつかこんな自分と訣別できない事には、真の強者たり得ないことは分かってはいるつもりなのですが、

なかなか難しいもんです。

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