第14話 ボクシングかぶれ
キックボクシングジムにおける困った人種に
「ボクシングかぶれ」ってのがあります。
キックボクシングジムに来て、
何故か手だけのボクシングのシャドーをこれみよがしにシュッシュッ☆ってやっており、
パンチだけのスパーリングを挑みたがる阿呆共です。
どこのジムにも必ず一人はいます。
ボクシングやりたきゃボクシングのジムに行けばいいのに、
何故かこいつらのイキがる場はキックボクシングジムなのです。
アナタがジムでこいつらを見かけたら要注意です。
ボクシングかぶれはボクシングで通用しなかった奴らで、
自分より弱い相手と戦いたがり、
その弱い人にマススパーしようと誘って、本気で殴ってきます。
勝とうが負けようが、結局遺恨が残るだけなので
絶対に相手をしてはいけません。
私のキックボクシング歴の中で、確実なのが3人はいました。そういうやつ。
一人目は弱い者いじめが大好きなSゴーくん。
体はでかいですがヘタレです。
ジムで華麗なフットワークを駆使してシャドーする自分に酔い痴れてましたね。
私がAジムに入門して一週間も経たないうちにやられました。
本気で当てないからマススパーしようとか言って
本気でボコられました。
で、殴るたびに「これが左ストレート」とか「これがアッパーっす」とか
ご丁寧に技の解説までしてくれます。
で、私は5Rに渡ってボコられ続けました。
Sゴーくんは「墓林さん!いーもん持ってんじゃないですかぁ!」
とか皆さんに見せたいくらい晴れ晴れした表情で熱く語ってました。
一ヶ月くらい後でしたかね、
Sゴーくんの矛先は再び僕に向けられました。
タッパは向こうの方がちょっとでかいくらいでしたが、
体重は私は55㎏、Sゴーくんは75㎏です。
パンチの技量は較べるべくもありません。
絶対勝てない相手ですが、まぁ彼とのマススパー(の名を借りた弱い者イジメ)を了承しましたよ。
で、そんとき私はジムの隅っこに転がっていたゴミみたいな、ワタの入ってないグローブをはめました。
そいつをはめた右スイングで、野郎の鼻っ柱をブチ殴りました。
そいつがバカなのは知っていたので、1R目は挑発に専念して、
2R目でカマしました。
Sゴーくんは鼻から変な液体を噴き出しながら吹っ飛んでいき、
「本気でやらないって言ったじゃないですかぁ!」とか怒鳴って
それ以降は悪態つきながらご自慢のフットワークを駆使して、
絶対パンチの届きっこない遠間からジャブを出してくるだけになり、
2R終了と同時に「ア゛ー!」とか言ってグローブを地面に叩きつけ、
バシーン!とかジムの戸を閉めて出て行って、
それっきりジムに来なくなりました。
その際なんかいろいろ言われたけど、私も頭に血が昇ってて、
何を言われたかよく覚えていませんが…
まぁ、ジムから害悪を排除することに成功した訳です。
私も相当汚い手を使いましたが、まぁしょうがないですよね。
そもそもミドル級とバンタム級が本気で殴り合うとか、
ありえない事態を作ったのは彼ですから。
キックボクシングではないわけです。
ジムには会長もトレーナーもいない、ただのルール無用の殺戮の犯行現場です。
私もセコくて卑怯で汚い人間ですが、
事の本質はやるか・やらねぇかであり、
本気で殴るなら殴られる覚悟くらいしろバーカ( ◔ิω◔ิ) って話です。
2人目はキチガイのM田くん(元フライ級の4回戦ボクサー)でしたね。
コイツが登場する頃には私の技量も上がり、
ボクサー崩れにもそれなりの対処はできるようになってましたが、
やっぱり初心者相手にSゴーくんと同じ事をしてましたね。
真面目だけど、ちょっとどんくさい子を凹ってました。
頑張ってる子をどーにかするとかキチガイのの風上にも置けないキチガイだったので、
こいつは基本ジムのみんなからハブられてました。
私にも異常な敵意を抱いており、常に全力で殴りかかってきます。
でも、プロ選手とのマススパーは絶対に避けます。
前にいたボクシングジムでも同じ事をしていたらしく
そこのトレーナーさんとお話した際に
「ああ、ウチのM田がご迷惑おかけしまして…」とか謝られました。
M田くん本人は「みんな僕に腫れ物に触るように接してたぁ~」とか自慢げにほざいてましたが、
そりゃそうだろうと思います。
あと、コイツは病的なウソツキで、
Aジムの会長に「墓林とO牧は女の足蹴ってニヤニヤしてる」とか
我々の悪口をあること無い事吹いて、
朝鮮人会長は被害妄想を募らせて我々に敵意を抱き、
結果的にジムを追い出される羽目になったのですが…
まぁ、キチガイですね。
夏にジムの戸を締め切って、電気ストーブをつけて
30㎏のバーベルを担いで直立不動の姿勢でプルプルしてました。
しばらくすると、メモ帳を取り出し、何やら書き込んでます。
再びバーベルでプルプルして、メモして、
今度は縄跳びを3回ピョンピョンピョンと跳んで。
再びメモ帳になんか書いてます。
ライト級のAくんが窓を開けたら
「おいテメー窓開けんなぁああ!」とかキレてます。
彼窓を開けられるのを異常に嫌がるんですよ。
パスカルとかも「左」が怖くて会議の時とか自分の左側に椅子を積み上げたりしてたらしいですが、
キチガイっすわ。偏執狂ですわアレは。
コイツは鉄道の保線係とかの仕事を転々としてたらしいのですが、
最終的には交通事故に遭って脳ミソがどうにかなって
開頭手術を受けるハメになり、その後どうなったかは知りません。
開頭手術を受けた際にキチガイも治してもらってたらいいなと思います。
Aジムを辞めてしばらくした後、ジムには「M田出入り禁止」の張り紙がしてあったそうです。
3人目は、第1話で語った、
ちょっとかなりだいぶインテリジェンスの足りない刺青野郎ですが、
コイツについては語るのもめんどくさいんでやめときます。
頭が悪いので、アマ試合のセコンドに付いてもロクな指示が出せず、
選手を負けさせてたりしてました。
もう少し真剣にやって欲しいと思います。
ハァんだもんで格闘技は、バカ、弱い奴、黒人、貧乏人、マイノリティーとか
「持たざる者」がやるモノです。私だってその一人です。
だからこんな感じの痛い人が集まってくるのですが
私が格闘技とかキックボクシングとか野放しで賛美できない理由はソレですよ。
アナタがちゃんとした親に育てられたちゃんとした人なら、
格闘技なんてやる必要がありません。性格が歪みます。
キックボクシングにおけるボクシング・テクニックの有効性については否定しませんが、
あんまりアレなやつとか無視した方がいいですよ。まじで。
ボクシングかぶれ、中国武術オタク、少林寺拳法家、空手家etc…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます