第9話 地方ジムの実情

皇治と地方ジム




最近K-1で皇治が息巻いてますね。

卜部弘嵩に対して記者会見で、twitter上ですごい挑発してますが、

なかなか面白い発想です。

こうなると負けるこうじさんが見たいものですが、

まぁ負けるでしょう。


彼の事は知らなかったんですが、気になったのでいくつか試合動画を見てみました。

それで、今までの試合内容とか動きを見てると、あれは国内レベルの選手ですね。

コンディションにムラッ気があるように見えます。

あと、彼のKO率が低いのは、おそらく自分の必勝パターンを持ってないからだと思います。

そこらへんは練習環境・・・トレーナーの腕の見せどころではありますが、

関西、地方住みの選手としては、かなりよくやってる方だと思います。

あの強さでは関西では、練習相手だって不足するでしょう。


しかし、30戦以上こなしてて28歳といえば、もう選手としてのキャリアも後半です。

今から上京するとかタイ修行とか、そういうのは厳しいと思いますね。

彼は盛んに地元愛を叫び、大阪にK-1を持って帰ると言ってますが、

ちょっと難しいのではないのでしょうか。




さて、地方のジムの実情がどんなもんか、私の住む県について、

私の知る限りをお話したいと思います。


私がキックボクシングを始めた2002年頃は県下に一つ、Aジムしかありませんでした。


それだって私の家からは車で片道50分くらいかかります。

当時、私は貧乏だったので車は持っておらず、

ひたすらスーパーカブで雨の日も風の日も、

台風が来ようが雪が降ろうがばるるるーん、と通ってたわけです。


練習生は総勢15人くらいはいたかと思いますが、

毎日来るのは私含めて4~5人でしたね。


で、K-1がTVでやる日は俺ともう一人のZ以外、誰も来ないです。

お前ら自分が主役になってやろうって気はないのかよ、とも思いましたが

K-1楽しいですもんね。


冬になればもう、本当にジムには私とZ以外誰も来ず、

いつも二人で火の気の無いクソさぶいジムの中で練習してたもんです。


え?冬は会長も来なかった?

いつもいませんでしたよ。

年に2回くらいジムに来て、タバコ一本吸う時間しかジムにはいません。

彼は選手はタケノコみたいに幾らでも生えてくるものだと思っていたようです。

ぶっちゃけAジムはは同好会です。

東京のジムみたいにチャンピオンが稽古付けてくれるとか、往年の名選手が会長で熱い指導をしてくれるとかじゃありません。

ただの焼肉屋の税金対策のためのジムでした。


たまにブサイクなオバちゃんを連れてきて、イイカッコ見せるために

私たち相手にイキがってましたがね。

女のどこ触ったか分からん手で、俺の新品のグローブに手を突っ込むのはマジでやめてください。


当然、そのジムは連戦連敗、当時の時点で十数戦プロ試合をこなして1勝もしておらず、

まーあ他所のジムの会長達が試合会場で「Aジム相手なら楽勝でしょwwwwwwwwwwww」とか言ってるくらいのアレでした。

しかも会長は朝鮮人なので、それに逆ギレ起こして根に持って逆恨みしています。


試合も変なつき方してましたね。

「○○ジムの選手がケガしたので、代打で出ろ。試合は一週間後だ。」

とかそんなんでした。

完全にアンダードッグだと思われてたわけです。

Zはファイトマネー・ご祝儀は全額ネコババされてました。




それから何年かして、Qジムとかいうのが川向こうの街にできました。

ここは本当にダメなジムで、今でもプロ興行でしょっぱい試合ばかりしやがるし、

会長もAジムの朝鮮人にタメ張れるくらいのサイコパスでパラノイアのクズ野郎です。

僕なんか、初めてそのジムに見学に行ったら「礼儀の出来てない奴はボコるからぁー」とか

とっぽい感じで言われました。

ちなみに友人のプロ選手は、そのジムに行ったら、

プロであることが判明すると、そこの会長はムキになって食ってかかってきて、

「30過ぎてプロで実績残せないなら何やってもダメでしょwwwww」とか言われたらしいです。

でも、そこのサイコパス会長だって3回戦で何試合もやったか・やらないか位のド素人です。


まぁ、何年かして、僕とZはBジムを設立しました。

設立して何日した時に、Qジムのサイコ☆パス会長が訪ねてきましてね、

そん時にZがタイにムエタイ修行に行った事を知ると、

「タイに行くとカウンターとるのが上手くなりますよねーw」とか

意味不明の妄言を吐いてます。


別にタイに行ってもカウンターは上手くならないんですが、

まぁ要するに地方のキックボクシングジムの会長なんてものは、

その程度の無能でも務まるってことです。

アナタも指導者はよく吟味しないといけませんよ。マジで。


さらに、奇跡的にそのQジムはとある弱小団体で王者を輩出し、

タイ人選手と試合することになりました。

そん時の選手のコメントが、

「キックボクシングをするつもりはない。ムエタイをやって勝ちに行く」

とかでした。

まさにこの師匠にしてこの弟子有りといった感じですが、

普通に判定負けしてました。


一体そこの選手がどこでムエタイを知ったのかは知りませんが、

実はタイ人はそう簡単に外人相手にムエタイを教えてはくれません。


そのへんはまた今度お話しましょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る