第7話
「それで?結局あんたの名前はなんなのよ?」
「あ、そういやまだ言ってなかったな。えーと、この本によると...櫻井 小春らしい...。」
うーん、なんだか少し女々しい名前だ。別に変ではないが...
「へー、なんか女々しい名前ね。あんたにぴったりじゃない(笑)」
「悪かったな!」
自分でも思ったから余計に悔しい。早く話題を変えよう。
「で?お前は結局なんて名前なんだ?俺はもう名乗ったんだからそろそろ教えてくれても良いだろ。」
「うーん、そうね!これ以上もったいぶるのもなんだし教えてあげる。私の名前はルナ•アルタイル。ルナでいいわ。」
なぜかちょっとドヤ顔だ。
「じゃあ暫くの間よろしくなルナ。俺のことも小春って呼んでくれ。」
「わかったわ、よろしくコハル。」
「ふむ、自己紹介もお互い終わったところでこれからの予定を聞いても良いか?」
「うーん、そうねやっぱり最初はギルドに行ってコハルのギルドカードの申請と固有魔法の判別と使用許可を取りに行きましょうか。」
「ギルドカード?なんだそれ。」
「ギルドカードってのはあなたの世界で言うところの身分証明書みたいなものでこれがないと宿を借りることもできないし、大きな街になると買い物もできないの。」
これは、あれだな、結構異世界も結構めんどくさいな
「今あんためんどくさいなって思ったでしょ!ギルドカードには犯罪歴なんかも乗るからこれがあるのとないのとじゃ安心感が違うのよ!安心感が!」
こいつ!やっぱり鋭い!
「あー、わかったわかった。じゃあ早速そのギルドカード?ってのを取りに行こうぜ?」
「そうね、ギルドは町の反対側だから歩きながら町の紹介もしましょうか。」
「よしきた!実は異世界の町ってどんななのかずっと気になってウズウズしてたんだよ!早く行こうぜ!」
「わかった、わかったから。そんな慌てないでよ、異世界くらいで。」
「ほっとけ!お前にとって異世界は近所でも、俺にとっちゃ桃源郷なんだよ!」
「はいはい、じゃあ行くわよ。」
ルナが階段を登り、俺も後を追う。
階段を登ると俺が異世界にやってきた時に入ったあのドアがあった。
ルナが扉の横にかけてあった鍵を手に取りドアノブを回す。
光が差し込んでくる。なんだか久しぶりに陽の光を浴びる気がする。
ドアが開き、ルナがまたもやドヤ顔で口を開く。
「ようこそ始まりの街ゼロトニスへ。」
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