第3話

「本当に?本当に異世界なんですか⁈テレビのドッキリとかじゃないんですよね⁈」


俺が興奮気味に聞くと、周りのフラスコに入っていた青い炎が驚いたかのように震える


「え、えぇ、まぁ私にとってはあなたの世界が異世界なのだけれどね」


女が少し引き気味に答える、女の声に反応するようにフラスコの炎の震えが収まった。


「まじで?!来ちゃった異世界!まさか異世界なんてあるなんて!漫画やゲームの世界だけだと思ってたのに!」


「えーと...まぁ、あなたが嬉しいなら問題ないわよね!」


「もちろん!むしろ感謝しかないくらいですよ!」


学生時代アニメや漫画で見て大好きだった異世界に来ることができるなんて俺にとっては夢みたいなことだった。それに、一番初めに出会ったのがこんな美人ならなおさらだ。


「あ、でも一回家に帰って着替えとか色々取りに帰りたいんで一旦元の世界に戻してもらっていいですか?」


「え?」


女は突然違う言語で話しかけられたかのような表情で首をかしげる。青い髪飾りが可愛く揺れる。


「え??」


俺もつられて首をかしげる。何か、嫌な予感がした。背中に冷や汗が流れる。


「あー...」


女は突然覚悟を決めたようにゆっくりと話し出した。


「あのね?とても言いづらいのだけど...」


部屋は涼しいのになぜか身体中から汗が流れてくる。


「あなたはもう元の世界には帰れないのよ。」


「は?」


何を言われたのかわからなかった。いや、わかってはいたが脳が理解しようとしていなかったのだ。


俺の頭はそのまま考えることをやめて、目の前は真っ白になった。

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