第21話あとがき
あとがき
「大災禍(ザ・メイルストロム)」とは、 2019年に発生した北米を中心とする英語圏での大暴動のこと。
アメリカ合衆国は2010年前後から、「二十一世紀の核弾頭」との喧伝で、大量に「信頼性代替核弾頭」を製造。しかし、2019年に発生した北米を中心とする英語圏での大暴動で、「信頼性代替核弾頭」が大量に第3国家に流出。フランスやドイツを中心とするEU軍が介入し、核施設を無効化していったが、35発の「信頼性代替核弾頭」が北米から流出した。14発が回収され、2発がアメリカ自身の領土内で、19発が世界各地の紛争で使用された。
「大災禍」では、北米大陸だけでも1千万人以上の人間が命を落とした。アメリカを大暴動が襲い、ヒスパニック、コリアン、アフリカンなど、民族虐殺が次々と起こった。
「大災禍」が核兵器の拡散と世界中での核兵器の使用を引き起こし、放射能を浴びた人類は、病気そのものの駆逐に乗り出した。
高信頼性代替核弾頭(こうしんらいせいだいたいかくだんとう、英: Reliable Replacement Warhead、RRW)は、アメリカ合衆国が開発を進めている核弾頭。単純で、信頼性が高く、長期使用が可能で、メンテナンスが容易な次世代核兵器の開発調達計画である。
などなど、伊藤計劃さんが残してくれた設定(実際にもあるよ)をたよりに、自分なりに「大災禍」ってこんなんだろうなーと想像してたらいつのまにか形にしてました。
本当の事を言えば、本文はもっと長くなる予定でして(プロット通りだと)、それだと年末に間に合わないじゃんとなりまして、第四部の駆け抜け具合は半端ないです。ナタリーとのドラマチック展開も用意していたのですが、どうにも性に合わない。ディストピアには似合わないと言った方がいいですね。
本当はこの小説を書く気はありませんでした。お金なんか動かないし、誰にも褒められることもないし(親とか友人が見たら心配されそう)。でもでも、虐殺器官がブルーレイとして発売した時、それを何回も見て泣いてしまうと(なぜか劇場では泣けなかった)、どうしても想像だけで終わらせたくなかったんですよね。
だから書いた動機はThe Indifference Enginの最後の文を読んだら。あれを読んだらどうしても書きたくなってしまいました。たとえ、許可を得てなくても……わなわな(どうやってとるんでしょうね)
作品の内容は、おそらく伊藤計劃さんが伝えようとしていることを繰り返しているようにも捉えられるかもしれませんが、僕も僕なりの言葉の力というのをこの作品に訴えるように含ませました。
言ってることは本気です、これを読んで別に募金してくれとか宗教しろとか言ってません。ただ、平和の国に生きている僕たちの生活が残酷な現実に支えられていることを忘れないでほしいのです。それが伊藤計劃さんの伝えたかったことでもあるのでしょうから。
なにわともあれ、ここまで読んでくれた読者の皆さんには感謝です。
最後に、
計劃(prject)は止まらない。
大災禍 ユークリウッド @Oogami
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