たそがれ~昴編~

水の冷たさは地球と変わらない

水の色は青

青といっても南の海のような青でわない

紫に近い青

岸辺に咲く花や垂れ下がる蔦の葉もキラキララメをいれたような色ばかり

『......そなたにはそなたの役目がる。』

わかってはいるのだ、おそらく地球では昴がいないことで大騒ぎになっているだろう

瑠璃もとなれば師匠、瑠璃の父親や蔵元家もさわいでいるに違いない

いや、あのカルメンという女性の話が正しいなら

師匠は何もいわないか

水の中に潜る

そこは青い空間にただ岩がそびえる世界

所々にみえるタコの足のようなものは木の根だろう

俺はまちがったのだろうか?

ハルが消えたのは瑠璃の妊娠騒ぎの後からだ

瑠璃とハルを引き裂いたのは間違えだった?

「昴、あんたは帰っていい。いや帰るべきだな。」

いつのまにか隣を黒い小さな龍が泳いでいた

そいつをつかんで水面に顔をだす

「殺されそうになった。あいつは瑠璃をねらっていた......」

「あんたはアイツに攻撃出来ないし倒せないよ。怪我してみんなに迷惑かけているじゃないか。」

黒い龍が小さな炎を吐きこたえる

魔力が使えるようになったといいたいが役にたつわけではない

他の仲間と狩りをしたり薬草をとったりしているハルのほうがいい

昴はこの世界の人々となかなか打ち解けられない

まずは話がわからない

「帰りたかったらネプチューンの前王のとこに行きな。」

噛みつかれ手を離した瞬間に龍が逃げた

「昴さん!ここにいたんですか?血がでてますよ。」

村の少年だ、キツネのような耳があるので昴も覚えていた。

「蛇に......」

「そりゃあ大変だ。」

少年は木下の茂に顔をつっこむ

「応急処置ですが。他の人を呼んでくるんで待っていてください 。」

気をつかわせてしまった。

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