拾弐ノ壱 悪夢ト月(一)
「おぞましいことよ」
一人の女は言った。
「ほんに、おぞましいことよ」
別の女が言う。
「あれは化け物ではないのか?」
さらに別の女も言っている。
三人の女が口々にそんなことを言い合っているのを、偶然に通りかかった少年が聞いた。
幼子は狩衣姿でその手には弓がにぎられているところからみると、いましがた、狩か、弓の練習から屋敷のほうへと戻ってきたところだろう。
「信じられぬ」
一人の女は言った。
「信じられぬ」
別の女が言う。
「あれは鬼ではないのか?」
さらに別の女も言っている。
幼子は、弓を強くにぎりしめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます