第30話
「ご主人! おきてくれよご主人!」
ベットの上で讀賣にまたがりながら子供のように呼ぶ。
暴れている成果、ベットはギシギシと軋む音が二里響き、尚且つレグリーが名前よ何回も呼んでいる。
きっとこの光景を見ていない人がこの音を聴いたら、きっと誤解が生まれるだろう。
だが、幸いにも今は朝。深夜のテンションではないので、多少の誤解は払えるだろう。
「レグリー……重い」
讀賣が、あまりに続く衝撃で寝続けることが出来なかったのか、重い瞼を開けて綺麗な黒色の目が浮かび上がる。
朝食のパンの匂いや、昨日の夜から残り続ける長家の匂い。そして寝起きにはぴったりな鼻腔を撫でるコーヒーの優しい匂い。
それらが讀賣の意識を覚醒させ、朝食時である事を悟らせる。
「あっご主人!」
嬉しそうに飛び上がると、そのままベットから降りる。
すると普段からは隠してある尻尾を耳が出ていることを讀賣は気づく。
だが、今はここには仲間しかいない。ならば無視をしてもいいだろうと、二度寝に入ろうとレグリーの反対側を向く。
すると何かが当たるような感触がし、讀賣の寝返りを阻止する。
なんだろう、と興味があるように布団をめくると、一人の女性と、いつもよりも頑張って起きて聳え立っている息子がいた。
「ぎ、ぎぎ、ぎぎぎ……ギレーヌさん、そろそろ起きましょうか。息子も起きてしまったので」
慌てて飛び出そうとするが、そうしたらレグリーに息子が見られてしまう。
それは避けなければいけないと、布団に居るギレーヌを外に出そうとする。
そのためには起こさなければと優しく体を揺さぶれう。
「ァッ、ハァ……」
もれる吐息、これは寝息だが、何故か色っぽく聞こえてしまう。
大人の色気なのか、服が多少はだけているだけで、決して見えることは無いのに何故か期待が膨らむ。
じっと讀賣が眼光を布団の中へと移す。
この時、クスリと笑った声には、集中をしていた讀賣は気づかない。
すこしづつ動いていく腿。それはスカートを動かすには充分な動力で、スカートを上へとずらす。
――いっそ手で動かしてしまいたい。
邪心が芽生えるが、俺は幼女でないと興奮はしないんだと自分に言い聞かせ、伸ばそうとしていた腕を引っ込める。
すると、ねっとりとした生暖かい液体のような、固形のような、そんな感覚のものが手に触れる。
なんだろうとそれを指に絡ませて自分の前に持って来る。
それは前世は高校生から30歳までは毎日欠かさずに見ていた白が濁ったような液体がくっついていた。
液体からは異臭ともいえるような匂いが放たれており、懐かしい匂いに感動すら覚える。
だが、ここで一つ讀賣の中で疑問が生まれた。
俺、昨日はシてないよ?
そして同時に自答が生まれた。
夢〇じゃん。
「一回目がこれで終わるとは」
「一回目って?」
突然とレグリーの声がして、体が震える。
どこから声がしているんだろうと首を反転させると、ちょうどソレが見える位置にレグリーがいた。
「あああああああああ!」
今度こそ叫び声が出てしまう。
その叫び声で目覚めたのか、ギレーヌが眠そうにしていた。
「朝、苦しそうだったね」
異世界二日目で、初めての奴隷からの第一声はこれだ。
頭に絶望が過ぎる。
「ノォォォォン!」
「なにがって、出ちゃったんだ」
ルーネがおきてくる。
その表情は、未だ意識はじゃっきりとしていないのか、リーナに向けるような表現と言葉遣いだ。
ルーネは一度こちらにお笑みを送ると、ベットに備え付けられている布を持ってくる。
「これで拭かなきゃね」
この日、讀賣は初めて幼女に絶望と背徳感を味わった。
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