第二章

第23話 第二章

 賑わいが絶えないと思うくらいのにぎやかさが町中に広がる中、讀賣たちは町の一角にある宿屋で休憩を取っている。

 どうやらここは冒険者は滅多に泊まる事は出来ないが、亜人や半獣、奴隷が気楽に止まれる宿で有名らしい。

 リーナは冒険者であるが、お金を5倍出すといったら快く引き受けてくれた。

 宿屋の中は奴隷が大半を閉めていて、讀賣が店のなかにはいると、何故か反抗的な目で見つめていた。

 「しっかし奴隷って人間に結構な因縁持ってるものなんだな」

 今回の目線で確認した讀賣が独り言を呟く。

 ベットに座っている讀賣の膝にはレグリーが寝ている。

 その頭を撫でてやるととても気持ちよさそうに目を細め、身を捩る。

 リーナとルーネ、ギレーヌたちは三人でガールズトークをしているのだが、レグリーは何故か性に合わないと讀賣のもと流れてきている。

 最初のほうは讀賣もやる事があると拒否したのだが、獣の武器ビーストアーツで飛び掛られ抵抗をやめ受け入れた。

 そしてそのやる事と言うのは、現在讀賣がやっている事だ。

 空を撫でるような動作でステータス画面を弄る。

 書いてある項目はまずは当然だが体力や筋力、防御や魔力など、よくゲームなどで見るようなものだ。

 そして現在の讀賣のステータスはこれだ。


 名前:讀賣 新聞

 種族:人間(転生者)

 職業:村人

 年齢:17(30)

 体力:28300/28300

 筋力:360

 防御:17400

 俊敏:490

 魔力:73800/73800

 魔力強度:36000


 これって強いほうなのか?

 ふと思い、膝の上で寛いでいるレグリーのステータスを見てみる。

 

 名前:レグリー

 種族:狼人

 職業:剣士

 年齢:16

 体力:1658/56800

 筋力:5300

 防御:9300

 俊敏:13600

 魔力:659/1200

 魔力強度:2100


 何故体力などが減っているのだろうと思ったが、奴隷になり戦闘奴隷に変化して基礎ステータスが増えたからだろう。

 これだけを見比べると、やはりステータスは職業的なもので関係が有ることが分かる。

 レグリーが剣士だとすれば俺は魔術師か?

 するとぴくぴくと動く耳が気になり目を向ける。

 忙しく尻尾と耳を動かしてもじもじとしているレグリーが見える。

 「どうした?」

 「ステータスは自分の奴隷以外に見ると、狼人族では求婚の申し出なんだ。あまり奴隷の実感がわかないオレにされると、その……」

 狼人族相手にステータスを見るという行為は狼人族は、告白という行為になるらしい。

 ここでお前は奴隷なんだぞと言う事は無いが、困ったなと頭を掻く。

 もしもステータスを見ることが出来ないのなら、せっかくのガールズトークの邪魔をするわけも行かないので、ステータスの比較ができない。

 何か無いかなと部屋の窓を空けて外を見る。

 道端は石レンガで舗装されており、何となくだが男の心を刺激させる。

 この宿の外装も、これぞ異世界というように木で作られており、扉を引いたときのギー、という音すらも、讀賣の心を刺激させる。

 外では林檎や肉など、食材を調達している奥さん方が見れる。

 中には武装したいかにも冒険者というゴツイおっさんなどがその仲間と思うような者などと下品に笑い声を上げている。

 だが、讀賣の心は不快になるどころか高揚感がこみ上げてきてもいる。

 これぞ異世界。

 その言葉がぴったりと胸に嵌るように溢れんばかりの高揚感が落ち着く。

 俺がしたいのは幼女ハーレム無双。ならば幼女を自分に好意を持たせなければ。

 早速、異世界を実感したけど心がくじけそうです。

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