第7話
話を聞くと、幼女の名前はリーナ・アミルトンということが分かった。
そのほかにも魔石のランクがSからEの6段階あること。
そしてリーナが言ったオルトロスという魔獣はAランク魔獣になっており、魔石もAランク、などだ。
「それよりニーキさん、先ほどオルトロスを倒したときに使ったのはなんだったんですか?」
ニーキとは、新聞こちらの世界では日本のように言葉遣いがしっかりと、いや、言い慣れないらしく、間延びしたあほら、いや、子供っぽくなってしまうらしい。
それよりも先ほどオルトロスを倒すのにう使ったもの、盾の奥義だが、言おうか迷っていた。
もしも盾の奥義が珍しく、それこそ見ることがない技だとしたら国からの要請などが多くなったりして幼女たちと戯れる時間が少なくなってしまうだろう。
だが、讀賣は大の幼女好き。目の前で可愛らしく首をかしげるリーナの願いを無碍に出来るはずがなかった。
「盾の奥義、
あっさりと答えてしまう。
讀賣の想像通りに驚かないでくれ、そう願い手を合わせるが、叶わない。
だが、ある意味かなったかもしれない。
「そんなに若いのに奥義使えるの!?」
「い、一応、ね」
心配そうに答える。
どうやら驚いたのは盾の奥義ではなく、ただ讀賣が奥義を使っている事だ。
だが、何故幼女であるリーナが讀賣のことを若いといったのか。
讀賣は若く見られるほどの肌もしていない。逆に老けていると見られた回数のほうが多いくらいだ。
讀賣は自分の体を見渡す。
そして途端に声を上げる。
「え!?」
「ひゃぁ!」
讀賣の突然の大声にリーナも驚き声を上げるが、讀賣は珍しく反応をしない。
それどころかリーナには視線を向けずに、自分の体をペタペタと触ったり撫でたり、はたまた嗅いだりしている。
(体の年齢が若くなってる?)
会社から受ける無理難題などでまともに休憩をする暇も無く、そのせいで肌は荒れ、年寄りにも見られていた体が、まるで十代半ばのような肌質になっているのだ。
気にしてみれば声も枯れたりなどはしておらず、健康体という言葉が似合いそうなまでもある。
「……ん? ああ。ゴメン、考え事してた」
こちらの様子を心配そうに見つめるリーナの頭を撫でる。
すると嫌そうな顔はせず、ただ嬉しそうに顔を歪ませるだけだ。
(なんだ。好かれないなんて嘘じゃん)
「なんだか兄が出来た気分です」
全然好かれてる……ん?
讀賣は顔を引きつらせてリーナを見る。
満を持して口を開く。
「俺、お兄ちゃん以外に思うことは出来ない?」
「優しい人?」
「⋅⋅⋅⋅⋅⋅ああ、ありがとう」
お母さん、俺、この世界でも恵まれないわ。あとケルプ、地獄に落ちろ。
讀賣は力のない声で笑うと、コクっと首を折る。
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