第3幕 とりあえずセーブを


新島「どうも~新島タモツで~す!」

高橋「高橋です~!

   二人合わせてブラッ・・・」

新島「あのセンパイ!これ受け取って下さい!」

高橋「うわビックリした!何だいきなり!」

新島「私からの気持ちです!」

高橋「俺にかよ! しかも何か変なキャラ作りしてるし!

   ・・・と言うかネタ振るならコンビ名くらい言ってからにしろよ」

新島「もらいますか? >はい いいえ」

高橋「いいよそんな選択肢出さなくても!」

新島「とりあえず答えるのはセーブしてからだな」

高橋「ゲームじゃねえよ!」

新島「セーブしたから今日はおしまいにする」

高橋「終わっちゃったよ! ネタは!?」

新島「人生にもセーブ機能があればいいのにね・・・」

高橋「話が飛んだよ!戻せよ!」

新島「どうも~新島タモツで~す!」

高橋「なんで最初からなんだよ!」

新島「お気の毒ですが、セーブデータが消えてしまいましたので」

高橋「もううるせーよ!」

新島「じゃわかったよ、話戻すよ。戻せば満足なんだろ?」

高橋「何この、俺が悪いみたいな流れ・・・」

新島「戻せばお前のちっぽけなプライドも満たされるんだろ?」

高橋「なんでここまで言われなきゃいけないんだろう」


新島「あのセンパイ! これ受け取って下さい!」

高橋「え?これは何?」

新島「・・・私が徹夜して作ったケーキです!」

高橋「えっマジ!?」

新島「2年前の物ですけど」

高橋「そんなもん渡すんじゃねーよ!」

新島「開封後はお早めに召し上がって下さいね」

高橋「もう無意味だろ!」

新島「食の貧しいセンパイなら余裕ですよ!ファイト!」

高橋「やかましいわ!」

新島「プライド激小なセンパイなら食べてくれますよね?」

高橋「お前、本当は俺のことバカにしてるだろ!」

新島「>はい いいえ」

高橋「だから選択肢いらねーよ! と言うか肯定かよ!」

新島「あの、もしかしてセンパイ、貰ってくれないんですか?」

高橋「う・・・いやぁ、気持ちは嬉しいんだけど・・・俺、好きな人が…」

新島「あははは! ヤダな~!

   センパイ、これってただのお裾わけですよ?」

高橋「・・・あ、そうなんだ。ゴメン、俺てっきり・・・」

新島「手作りなんてのもウソで、スーパーで100円のヤツです。2年前の」

高橋「そこは合ってるのかよ!」

新島「しかも持ってくる途中で川に落としちゃったんですけどね」

高橋「ますます要らねーわ!」

新島「そのまま下流まで流されちゃって、必死でカヌーで追いましたよ~」

高橋「突っ込む気にもならねえよ、そんな話は!」

新島「とりあえず受け取るだけ受け取ってくれますか、ノルマあるんで」

高橋「ノルマって何だよ!」

新島「今日中にみんなに配って回らないといけないんです!

   ケーキ無料でーす!お願いしまーす!お願いしまーす!」

高橋「駅前のビラ配りか!」

新島「お願いしまーす!おねらあーす!おなーすおなーす!」

高橋「色々と適当過ぎるだろ!」

新島「今日発売の最新版のケーキでーす。おなーすおなーす!」

高橋「どこがだよ!2年前のだろ!」

新島「ねえねえキミ、2年前のケーキとかに興味とかない?」

高橋「ある訳ねーだろ、キャッチセールスかよ!」

新島「ねえねえキミ、ちっぽけなプライドとかに興味とかない?」

高橋「意味わかんねーし、興味ねえよ!」

新島「こっちこそねーよ! このヘタレ野郎!」

高橋「だからなんで逆ギレするんだよ」

新島「まあここじゃ何ですから、あそこにあるカフェで、

   高橋のちっぽけなプライドについてお話しませんか?」

高橋「話さねーよ! だいたい何が目的のキャッチなんだよ」

新島「>はい はい はい はい」

高橋「『はい』しかないんだけど!」

新島「とりあえずセーブしてからだな」

高橋「いい加減にしろ!」





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