2ページ
二人と出合ったのは俺が十八の時で、この世界に飛び込んだ時だ。今も変わらず体格のいい幸樹は修行先のバーの向かいにあった焼き鳥屋に。もやし体系の雪彦は三軒隣のキャバクラでボーイをしていた。
同世代ってこともあり、ミケを含んだ四人は意気投合し、なんだかんだいつもつるんでいて。そこの商店街でも友達は沢山出来たけど、特にこいつらには“仲間”って呼び方がしっくりくる気がする。恥ずかしいから言わないけど。
今はミケと俺が同じ商店街で店を出して、雪彦は違う街でキャバクラを二軒経営していて、幸樹は弟子入りした店をそのまま継いでいる。
いろいろ忙しくてなかなか集まれなかったけど、こうしていい知らせを聞けて良かった。
「で、プロポーズはやっぱり雪彦からなの?」
「いんや、俺から」
「えっ、幸樹から!?」
「だって待っていてもプロポーズしてくれないから」
少しヘタレな雪彦には、行動派の幸樹がピッタリ合う。だからこうして隣に座っていてしっくりくるんだろうけど。
「なんてプロポーズしたんだ?」
これからの為にもぜひ聞きたいわけで。
「えっと」
「ちょ、それは内緒に決まってんだろ」
「いいじゃん、雪彦言ってみて!」
「えっとね」
「だぁっ雪彦!」
「大丈夫、幸樹の事は気にしないであたしにだけ聞かせて!」
「バカ、お前、恥ずかしいだろ」
「いいじゃないの、少しくらい幸せ分けてくれても!」
ぎゃあぎゃあと、あーだこーだ言いながら騒ぐ光景に、懐かしさと嬉しさと微笑ましさが胸に広がる。
多分ずっと、この関係は変わらいないだろうなぁ。
「楽しいな」
「当たり前でしょ。四人揃ってんだから」
「そうだな」
「なんか想太だけおっさんくさい」
「いや、俺たちみんなおっさんだからな?」
「あたしは違うわよ」
「おっさんだろ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます