第22話 探求VI

「レイからの手紙が途切れた……

あいつが、レイをつかまえたのかも……」


ミオは服を着たまま浴槽に入った。


「クオリアは複雑な脳の構造によって発生した現象だとする者もいるわ……

レイは……レイの脳は、アインシュタインのように、取り出されたのかしら」


かちりと、 カッターの刃がひとつ出た。


「レイがいなくなって、家族の生活は保証されて……

私が存在する意味なんて、もう無い」




-違う、ミオ……俺は生きている!


-ごめんな、俺は、ミオのために、何もできなかった


-ミオに助けてもらってばかりで、何も返せてなかった


-今ならわかる


-ミオに生じた、悲しみのクオリアが!

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