第6話 4つの力

「余談だが、今やってる電磁気力は、四つの力のうちの一つだ」


物理教師は教科書を教卓に置いた。


「四つの力とは、電磁気力、弱い力、強い力、重力のことで……

万物の理論!

これらを統一的に記述する試みだ」


彼は白いチョークを黒板に押し付けた。


「完成すれば、素粒子の性質がわかるだけでなく、宇宙の誕生から消失までが明かされることになる、という夢のような理論がある

今、電磁気力と弱い力は統一され、電弱力となっている

それに強い力が統一されようとしていて……」


ここまでしゃべったところで、教室にはチャイムが響いた。


「おおっと、しゃべりすぎたな……大学ではこればかりで、つい……

はい、号令ー」


レイはしばらく動けなかった。

もちろん起立の号令には従えなかった。


「物理……すげぇ」


これが、レイと、万物の理論との出会いであった。


物理教師が教室を出ようとしたところで、やっとレイは立ちあがれた。


「先生っ、質問っ」

「あぁー?放課後なー」

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