第5話 苦しみの深淵

決まって学習会の後は二人で買い出しに行く。

ミオの家の夕飯とか翌日のお弁当の材料を買うのだ。

最寄りの店より、学校から駅までにあるこの店のほうが、品物が安いらしい。


「そっちのほうが重いだろ、持つよ」

「……よく……分かったわね」

「まあ……」


ミオは微笑んだ。


「その、綺麗な目のおかげね……」


電車はすぐに来た。

ミオは全ての買い物袋を受け取った。


「買い物、付き合ってくれてありがと

また明日」

「こちらこそ、勉強教えてくれてありがとな

気をつけて帰れよ」


このときレイは、矢印の無意識のしかたと……大家族の長女の苦労を、つゆも知らなかった。


「矢印ばっかりでちかちかする……」


重力の矢印を見る方法、消す方法は、次の日には理解していた。

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