姉弟のように育ったとはいえ、皇帝と側妃。歳の差と身分差のある関係が切ない物語。そこへ後宮の思惑が加わって、ドラマチックな展開が待っています。是非、番外編まで通して読んで欲しい。個人的に、馬を駆る妃が好きなので、とてもとても良かったです!
憎からず思っている相手に、女として見て貰えない寂寥。理屈では如何ともし難い情動が沸々と沸き起こるが、それらは未だ見ぬ春の如く胸底に押しとどめられている。暫く狩りはお預けかというのは、夜伽の時も間が空くのだという婉曲的な言い回しであろうが、而して末筆。恐らくはこれまで以上に関係が進展すると思しき描写が見て取れる。これによって雪解けの後に訪れる春の芽吹きのような、幾ばくかの救いを感じられる。