第6話
現在の俺の状況を整理する。
今俺は戦火の中でエヴァと2人で逃げ惑っている。
なぜこんなことになったのか?
それは俺にも分からない。
しかしただ1つ言えることがある。
それは、エヴァがチート級にクソ強いこと。
「『スピリット・アウェイ』ッ――!」
エヴァが目の前に立ちふさがったゴブリンらしきモンスターの群に手をかざしそんなことを言うとモンスターたちは強烈な光の渦に囲まれ消えてしまうのだ。
それが先程から続いているわけだが。
「お前見かけによらずスゴいな! 初めは本当にただのバカかと思ったがやるときはやるんだな!」
「そんなの当たり前じゃない。私はゴッド。神なのよ。さあこの調子でじゃんじゃんいくわよ!」
「あっああ、頑張ってくれるのはいいが頼むからMP切れにはならないでくれよ。俺まだなにも出来ないからな」
「大丈夫、大丈夫。何度も言ってるけど私は神なの。神の存在にMP切れとかマジあり得ないから」
「あっそう……」
こいつマジでヤバイな。
と、エヴァの文字通り神パワーを目の当たりにしながら逃げ続けていると灰色の雲で覆われていた空が徐々に暗くなり町の中心にあるであろう大きな教会の塔の天辺に黒く生き物の様にうねっている雲が集まりはじめていた。
「おいおい、何だよあれ。ボスでも現れるんじゃないだろうな」
「あれはー……。闇属性のテレポート魔法ね。見た感じ上級、いえそれ以上のアンデッドによるもののようね。あの黒雲の形、動きからして恐らくハーゲンティかバフォメットあたりの悪魔だと思うわ」
「へーお前やけに詳しいな」
「そっそのくらい神として知っていて当然よ」
まあ確かに神と悪魔は犬猿の仲だからな、さすがにエヴァもこう言ったことは知っているんだな。
とにかく今は逃げることしか出来ないが、どうかこれ以上悪い事態に巻き込まれませんように祈るとしよう。
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