第1章 自己中女神
第壱話
1
「ねぇねぇ、ここはどこなの?」
「知るかよ!」
やはり俺の思った通りこいつはダメな奴でした。
こいつは観光と提案した途端に大通りを走り抜けていったのだが……。
「なんで勝手に走っていったんだよ!」
「しょうがないでしょ! 初めて見るものばかりだからちょっとテンションが上がっちゃってつい……」
「なにがちょっとだ! なにがついだ! お前何様のつもりだよ、あぁ?」
「何様って、もちろん女神に決まっているでしょ」
あぁ、神様! 私の前に可哀想な女性が……。
「ちょっと、何黄昏てるのよ! まさか、私が女神だってこと信じてないわけ?」
「うん、そうだよ。当たり前じゃん」
「言ってくれたわね! こんな私でも天界ではおつむだけが弱い美人女神って言われていたほどなのよ! おつむって言うのが何なのか知らないけど、そんな私になんちゃって女神だなんて……恥を知りなさい、恥を‼」
「……お前おつむの意味を知ってないだろ。おつむが弱いって言うのはバカって意味だぞ。それにさっき、『こんな私』って言わなかった?」
と言ったとたん、エヴァの顔が青ざめていき膝か崩れ落ちた。
「……え? わ、わたしがバカ? そ、そんな……」
「お、おい。そこまでショックを受けることないだろ。それとも、マジで自分って頭が良いとでも思っていたのか?」
「当り前よ。こんな美人さんでかわいらしいくて尚且つスタイルの抜群なこの女の子がバカなはずないでしょ?」
おいおい、そんな自信満々に言うのよ。
あと、切り替え早すぎだろ。
「何よその目は! なんでそんな白い目で私のことを見るのよ! 全く誰のおかげでここに来れたと思ってるの? それになんでナオト呼んだ理由をわかってる?」
「知るわけないだろ! 気づいた見知らぬ場所にいたんだぞ」
「そうよね、いい機会だから教えてあげるわ」
こいつなんでこんなに偉そうなんだ?
まあいい。ここはしっかり聞いてみるか……。
「あれは、まだこの世界を任された時のことだったわ。この世界のことを詳しく知るために様々な書物を読んだの。そこにある日記があったのよ。そこにはゲーム好きな男の子の一緒に異世界に行った神がいたと記してあたのよね。で私も異世界に行くにあったてゲーム好きな子を探して一緒に行こうと思ったわけ。そうすれば、あとはゲーム好きな子がリードしてくれるってこと。ね! わかった? ここにナオトを呼んだのはナオトがゲーム好きだからなのよ! この意味をしっかり理解してよね!」
色々とつっこみたいところはあるがつまり……。
「俺がゲーム好きだから天界に呼ばれここに連れてこられたと……」
「そうよ! 調べたところによると、あなたたちの人間がしているゲームって言うのは、この世界に似ているのでしょう? ならこの世界での過ごし方とかも知っているのでしょう?」
2
RPG。
それはロールプレイングゲームの略称であり、参加者が各自に割り当てられたキャラクターを操作し、一般にはお互いに協力しあい、架空の状況下にて与えられる試練を乗り越えて目的の達成を目指すゲーム、主に中世ヨーロッパが舞台となることが多い。
と昔インターネットで見たことがある。
恐らく、エヴァの言っているゲームと言うのはこのRPGの事だろう。
そして今俺の頭ににある疑問が生まれた。
「お前、何か勘違いしていないか?」
そう、こいつはさっきの説明を聞いていると俺がRPGプレイヤーのように聞こえるのだ。
「……えーと。え?」
エヴァがわけがわからなそうなので説明してあげよう。
「お前が言ってるゲームはRPGのことだろ?」
「そうよ! そうだったわ! RPGよ」
「簡潔に言おう。俺はRPGをしたことがない」
「え?」
「俺はこの人生でゲームと言えばFPSしかしたことがない。あんたは俺をRPGプレイヤーと勘違いしたらいが、俺はFPSプレイヤーだ。だから俺はRPGに関しては初心者。詳しいことはよく分からん」
「えっ嘘でしょ⁉ つまりナオトってこの先のどうすれば良いかとかも……?」
「知るわけないじゃん」
「と言うことは、ナオトって今役立たずってこと?」
「うるせー! 誰のせいでこうなったと思ってんだ‼」
「まさか、私のせいって言ういんじゃないでしょうね!?」
「他に、誰のせいだって言うんだよ……」
なんだかこいつと会話すると頭が痛くなってくる。
「で、これから何をするつもりなの? 俺は何をすればいいの?」
「とにかく、まずは最初にこの世界に降り立った場所に戻りましょう! さあ、ナオト案内して頂戴!」
「だから知らないって言ってんだろ!」
と言うか初期リス地点知ってたら今頃迷子になんてなってねーよ。
「あんた、本当に役に立たないわね」
神様、そろそろこいつ殴っていいですか?
これ、夢だからいいですね?
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