それは綺麗なユリの花。

※※百合 GLです。ご注意を。









「好きだ」と言ってしまえば、何もかも壊れてしまうだろう。

「友達」という関係も、「クラスメイト」という関係も………。



一目惚れだった。

高校最後のクラス替えで、一目惚れした。

とても活発で、明るくて、元気な子。

彼女とは席が隣なこともあり、すぐに打ち解けて仲良くなった。今ではもう親友。

そんな関係だから、「好き」なんて伝えてしまえば、この関係は崩れてしまうだろう。


そんなのは嫌だ。せめて、卒業するまで彼女の横にいたい………。


ずっと、そんなことを考えていた。

それしか、考えていなかった。


「ねぇ、聞いて~?また呼び出されちゃった~。」


そう言って見せてくれたのは、今朝下駄箱に入っていた男子からの手紙。

彼女はとても可愛い。かなりモテる。


「すごいねぇ、モテモテだねぇ」


モヤモヤする、嫌な気持ちを押さえ込んで一生懸命笑顔を作り言う。

この気持ちがバレるわけにはいかないから。


そんなやつと付き合わないで………。


そんなこと言えるわけなく、笑顔で彼女を送り出す。

今頃、告白されてるんだろうな。

今回の人はどんな人だろう。

付き合うのかな。そんなの嫌だな。

そんな思いが頭を駆け巡る。泣きそうになった。

いっそなけたらよかったのに。


トイレに行き顔を洗おうと席をたつと、彼女が帰ってきた。

ものすごく、タイミングが悪い。


「あれ、早かったね………。」

「あ、あのね!!付き合うことになったの!!」


あぁ、最悪だ。

最悪の自体が起きてしまった。

"私"は、涙をこらえて精一杯、笑顔をつくって、彼女に言った。


「おめでと!」


さよなら、私の恋。



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