第4話 シャッターチャンス

 私の愛機は、いわゆる『デジタル一眼レフ』というものです。ですが、そこまで性能が良いものではなく、入門用に機能が限定されている、もう何年も前に発売された中古品です。


 それでもTwitterなどに上げても見劣りしない写真が撮れるので、私は重宝しています。


 今日の被写体は彼岸花。写真を撮る人たちにとっては、かなり一般的な被写体になります。ネットで検索すれば、様々な写真が出てきます。


 しかし、時期がちょっと悪かったですね。既に満開の時期は過ぎ、半分以上の花はしおれてしまっています。早めに休みが取れれば良かったのですが。


 彼岸花の群生地に、気持ちばかりの入場料 を支払って入ります。全体を見渡し、比較的しっかりと花が咲いている部分を探します。そして中腰になって花の位置まで目線を下げて、良い切り取り角度を探します。


 まだ綺麗に咲いていた彼岸花が一輪あったので、それをメインの被写体に据えます。


 カメラをバッグから取り出し、通常のレンズを取り付けます。「カチン」と本体とレンズが噛み合う音がしました。


 レンズを目標の彼岸花に向け、シャッターボタンを半押しして、ピントを合わせます。そのままの状態で、中心から少しずらして、しっかりボタンを押してシャッターを切ります。


 写した写真を後ろの画面にすぐに表示させます。背景のボケは良いとして、画面が少し暗いのでシャッタースピードを少し下げます。ホワイトバランスも切り替えて。


 もう一度同じように、シャッターを半押しにしてピントを合わせてから少しずらして、被写体の彼岸花を左に寄せてシャッターを切ります。


 画像を再生してみると、鮮やかな朱色の花が、ボケた背景の緑と良いコントラストになって、綺麗に写っていました。


 それから目ぼしい角度を探しながら撮影を数度繰り返し、15分ほどで撮影は終了としました。彼岸花の群生地から出て休憩のベンチにちょっと座り、写真データをwi-fiで飛ばしてスマホに移します。後は少し画質調整を施してTwitterにアップ。


 今日の所はここまで。早々に帰宅の徒につきました。


 スマホから通知の音がして、早速イイネが押されたようです。平日日中というのに、見てる人は見ていますね。ちょっと苦笑してしまいました。

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