第2話 ドリップコーヒー

 グルグルとハンドルを回し、ミルを回してコーヒー豆を粉にする。あくまで一定のペースで回す。


 出来上がったコーヒー粉は、チョコレートのような香りを漂わせ、蠱惑的でもある。

「うーん、やっぱり挽きたては香りがいいね」


 ペーパーフィルターの繋ぎ目を折ってから広げ、ドリッパーにはめ込み、挽いたコーヒー粉を中に入れる。

 ドリッパーの縁をトントンと叩き、コーヒー粉の表面を平らにならす。


 沸騰させたお湯をドリップ用のヤカンに移し代え、少し残してサーバーの方にお湯を注ぎ、温めてから捨てる。マグカップもお湯を注いで温めておく。


 サーバーの上に準備したドリッパーを置く。


 少量のお湯を注いでコーヒー粉全体にお湯が行き渡るようにする。少しサーバーにポタポタと雫が落ちる程度で。

 そこからゆっくり30秒。ここの蒸らしが肝心だ。

 コーヒー粉が持っていた炭酸ガスが出てきて、ドリッパーの中でゆっくりふっくらと盛り上がって行く。


 30秒経って、糸のように細く細くお湯を注ぐ。最初は中央に。そこからの字を描くように回し注ぐ。

 濃い琥珀色の液体が、下のサーバーに「ツツー」と落ちて行く。

 ドリッパーから溢れさせないように、時々注ぐのを止め、注意をしつつお湯をさらに注いで行く。


 2杯分のコーヒーが落ちた所で、ドリッパーを外して受けるカップの上に置く。最後は雑味があるので、最後までコーヒーを落とさないように。


 湯通ししたマグカップに、出来上がったコーヒーを注ぐ。

 テーブルで今か今かと待っている伴侶に、コーヒーを差し出す。

「出来上がったよ。さ、冷めないうちにどうぞ」

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