所作
皇 将
第1話 エイム
ジリジリと焼けつく茂みの中。
俺はスナイパーライフルを構えて腹這いになっている。
隣には、観測手として望遠鏡を覗いている相棒がいる。同じく腹這いだ。
茂みの向こうには、敵の兵士が数人いるという。それを待ち受けている状況という訳だ。
相棒の観測手も認識したのだろう。軽口を叩きながらこちらに知らせてくる。
「お客さんがおいでなすったぜ。丁重に歓迎しなきゃな」
もちろん、歓迎は鉛弾で、だ。
「ヘッドショット、エイム」
声がワントーン下がる。
合図と共に
「…エイム」
ひと呼吸の後、相棒からの合図が飛ぶ。
「ショット」
軽く人差し指を引く。肩にかかる銃の
敵兵はその事実に驚くと共に、すぐさまその場に伏せる。
「おいどうする? お客さん、チビっちまって動かなくなっちまった」
相棒の言葉に動揺する事無く、そのまま銃を構えた腹這いの姿勢を維持する。
「落ち着けよベイビー。待つだけさ、蛇のようにな。ここからは根競べだ」
スナイパーライフルのレバーを引き、撃った薬莢を弾き出して新しい弾を装填、レバーを戻してロックする。
長い待ち時間になりそうだ。クリスマスに彼女を待つ、彼氏みたいに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます