第4話 深海提督ゲーハ元帥
「.おい、集積地秘書艦 昨日の戦果はどうなのだ?」
提督机にどっぷりと腰掛けた男は卑しげにローストチキンを平らげながら、威厳を見せようと鷹揚そうな作り声で尋ねた
でっぷり肥った腹は椅子に収まりきらず、肘掛けの上までぶよぶよの肉塊がはみ出ている
集積地秘書艦は事務的に、ソ級が雷を仕留めたようです、と手短に答えた
「ほう、それはそれは。で、雷は深海転生装置に回したのか?」
「ハッ、それが… 現在でも雷のソウルドロップが確認できていません」
「馬鹿者っ! それでは雷の撃沈確認もしていないのかっ」
「いえ、ソ級が雷の撃沈を確認しているのですが、ソウルドロップが深海に落ちてこないのです」
「そんな事があるかっ。それではソ級の撃沈確認が間違いではないかっ」
集積地は答えず、口の中でチッと舌打ちした
このゲーハ提督は、全深海棲艦達に嫌われている
レ級などは、こいつと口もきかない
無理な作戦を立て、棲艦達を死地に追いやるだけでなく
勝ち戦をすれば自分の手柄、負け戦は前線に出ている棲艦の不手際だ
それでも深海棲艦は必至で戦っているのだ
集積地も深海軍令部の命令が無ければこんな男の秘書艦などクソクラエなのだ
Deep Blue -深海の姫達 中原 茜 @peach_fruits
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