劇的ビフォーアフター
テレテレテレテレテーン
なんということでしょう
あのガラッとしていたお化け屋敷とも言えない中途半端だった家が
今ではありふれた家具などで実に生活感あふれる空間になっております。
___とは行かず。
俺は先程届いた荷物の整理をしていた。いや別に、収納する棚もなければ家具もないのだが。
俺は自分がこれほど阿呆だと思ったことは今まであんまり思いつかないくらい今それを味わっていた。なぜなら。
「家具位作っちゃえるしー。まぁいっかー…じゃねーんだよなぁ!?」
そう、俺は家具のない家を購入したのは固有魔法でいろいろ思うように作れるからまぁ材料さえあればすぐ作れるしその場で考えて雰囲気で作ろうなんて考えていたのだが。まぁそうだな、その材料を集めることを失念していた。あほか?
固有魔法、
これは詰まるところ物質を作り替える魔法だ。簡単に言えば。俺流解釈でもあるが。
粘土でいろいろ捏ねて作り出すように、例えば石ならこねこねの結果、宝石さえも作り出せる魔法。正しく幼い子供が願う、『まほう』にうってつけなものだ。ゼロから一を作ることはできないが、一さえあれば何でも掛けることができることと同じ。何かを媒体にほかの物質を作り変えるもの。だがこれにもいろいろあって、例えば石を媒体にすれば全く異なる宝石さえも作り出せるがそれはかなりの魔力が必要になる。なぜならそれは石という概念をもはや別のものに作り替えるからだ。でもただの石ころの形を変形させて、質量を増して石像を作るのはそれほど魔力消費が激しくはない。質量を増す工程で消費するにはするが、概念的なものをいじらなければ特にこれといって激しい消費は少なくなるのだ。
ということなのだが、俺、家具は木製がいいんだ。石は嫌だ。折角のマイホーム、家具にはこだわりたいところである。
石ころから木製の家具を作るには、まず石を木に変換して、それの質量を増して、さらにそれを変形させる。それに家具はそれなりのサイズだし、一度の魔力消費が半端じゃない。小石から木製のクローゼットでも作ろうものなら、一般人では作ることさえできないだろうし、多分おおよその魔法使いでも無理だ。
俺の場合、(魔力貯蔵的に)まぁいけないこともないが、あんまり急に消費すれば魔力の状態が不安定になることは間違いないので、なるべくやりたくはない。
「どうしたもんかねえ…」
今晩も地面で寝ることになるのだろうか。
独り暮らしは前途多難を極めていた。
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