前世の夫

大学時代の一目惚れの彼


初めて逢った時に、すべての見えなくなってしまい、彼のところへ行って

「今すぐ結婚してって言ったら、結婚してくれる?」って言った。


お互いに付き合っている人がいたから、彼は私を軽くあしらい、

「ああ、いいよ」と冗談で言ってくれた。

私の口から出た言葉は本気だったけれど、不適切なのはわかっていた。


当時不倫をしていた私が寂しくて暇な夜は、彼とお友達の男の子のグループと一緒にドライブをしたり、カラオケをして始発を待ったり、男の子の部屋へ遊びにいったり。とっても楽しく遊んでもらった。



彼と二十数年ぶりに逢って、身体の関係をもった。

二人の魂が会話し、逢えた喜びに満ちて、絶頂が止まらなかった。





ライフパートナー(ソウルメイトと呼ぶ人もいるが違う)である夫との身体関係も最初から相当相性が良く、初めて行為中に絶頂を迎えられた相手であった。夫とはずっと仲良しで、10数年は日常的にしていて、常に楽しめたものであった。お互いの身体を熟知していて、10年を過ぎた頃だろうか、私が絶頂を迎えると、夫も射精せずに絶頂を迎えられるときがあった。行為そのものをしなくても、あった。本当に数回。とても不思議だった。




一目惚れの彼。彼と再会して1回目の行為。

全く特別感がない行為のあとに、彼が私の中に指を入れている間に私は結構すぐに絶頂してしまう。そして、そのときに彼も果ててしまう。あ、すごい、波長が合っている。その時は、「私、魔法が使えるの、すごいでしょ?私が気持ちが良いと、貴方も気持ちが良くなるの」って言ってみたけど、結婚後夫以外の人と初めてするのにこうなって、ちょっと自分が優越感を感じたのと同時に嬉しかった。



2回目の行為。

挿入されて、即彼の魂と会話しはじめてしまう。

絶頂を迎えては、また迎えて、私の身体が彼自身を感じている喜びが止まらない。

全く動いていないのに、汗だくになって、身体の奥底からお互いのエネルギーが絡み合い、共鳴しあう。もちろんお互いにこのような体験は初めてで、夫以上に身体の相性が良くて、彼はソウルメイトだとわかってしまう。


前世の夫だと判ったのは、彼との思い出が見えるようになったから。前世の夫との死に別れた時の思いで。お散歩した並木通り。彼に本気で叱られたとき。約束を果たせなくて後悔した気持ち。フラッシュバックのような不思議な体験で、思い出す時は涙が溢れた。



3回目の行為。

前世の夫だということを認識して初めて逢ったけれど、前回同様に素敵な愛の確かめ合い。不倫関係でいるにも関わらず、彼は私の中でイってしまい、理性が強い彼は信じられない事をしてしまったことで困惑していながらも、私は彼を愛しく感じてしまう。愛していると言われて、私も。幸せだった。


最後に会ってから一週間ほどだろうか、前世の夫が一目惚れの彼の身体から離れて、私のところへ来るようになって。全てを急かされて、焦って、彼に必要以上のプレッシャーを与えながら、彼へのメッセージを書き続ける。最終的には文章はとてつもない量に増えてしまい、彼は私の重すぎる愛に恐怖すら覚えた、と私は思っている。自分の意志ではないのか、客観視するとまるでストーカーになった気分で、自分が怖かった。



夫とはオープンリレーシンシップであるし、今まで以上に良い関係なため、夫は彼の存在を認めてくれるとともに、ストーカー化した自分の気持ちと失恋した私の悲しみを寛大に受け止め慰めてくれた。




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