第3話

夢を見た。



私を探して警察が山を捜索している夢。



しかし、本当の両親はそこには居なかった。




自室に引き篭もって、世間の目に怯える父。


記者会見上で、頭を下げ続ける母。



両親の愛情なんて、いつから期待しなくなっただろうか。


良心が痛まない訳ではない。

だけど、父のあの一件で、山本議員の家系というブランドは存在価値を失った。


私も、きっとあのままだったら日陰の人間になっていただろう。




残念な人たち。


そしてそんな中から生まれた、私という冷めた酷い子ども。


捻くれた性格。



私は、愛を知らない。


生きている意味すら分からない。



だけど。



私はそれを解決しようとしただろうか。


何も始めようともしなかったのは、紛れも無い私自身だったのではないか。

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