第8話 黒龍襲来中1
家は落ち着くべき場所であるはずなのに、今の私は全く落ち着ける状態では無かった。私の首からは汗がしたたり動悸がしている。それもそのはず、私の目の前には大きな黒い龍がいた。まるでそいつは昔からがいる事が決まっていたかのような空間に染み付くような異質な存在感を放っている。幸運なことに私はその龍の背後に立つ事が出来ている、しかし、私の存在がバレるのも時間の問題だろう。とりあえず、剥いておく。何をかって?そんな野暮な事聞くんじゃないよ。この龍がどれほど強いのかわからないが、こうなった以上、私に何かが起こる確率は0に等しいだろう。それにしても禍々しい黒さ、そして雄大さ、思わず敬意を払ってしまうようだ。しかし、とにかくこの状況を打破するため動かなければならない。この巨体を一撃で仕留めるには若干の不安がある。というか龍というのは伝説上の生き物では無いのか?伝説上の生き物に自分の攻撃が通るのか?物凄く不安になってきた。というかさっきからこの龍全然動かないな、冷静になってみると、周りも荒らされた形跡がないし、もしかしてこの龍に敵意はないのか?となると考えられるのは1つ、絶対にミカに関係のある龍だ。一体、彼女は何をしたんだろう。ひとまずここは勇気を振り絞って話しかけてみることにした。
「あのーすみません」
すると、間髪入れずに龍は頭をこちらに向けた。
「あ、どうも、お邪魔してます」
よかった、優しい龍のようだ。しかし、それと同時に、そのお邪魔しますは突風を巻き起こし着ていた衣服はどこかへ飛んでいってしまった。
「「キャーーーーーーーーー///」」
龍と私は同時に叫んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます