第5話初デート(3)

ぼくと 彼女は 常設展へ向かった

もちろん 移動中は 会話なしだった

常設展全て まわるのには時間がなかったため どこに行くかを決めることになった

また 彼女が 少し疲れたから休みたいと言ったため ベンチに座って 少し休むことにした

彼女と接近できるチャンスである

この場面では 彼女とぼくの距離から 今のぼくと彼女の関係がどうであるか わかってしまう

まぁ 嬉しいと同時に すごい距離をおかれて座られたら どうしよう

という 不安もあった

まぁ ヘドロのような ぼくと同じベンチに座ってくれる時点で嬉しいけどね

もしかしたら ぼくがとても汚れているため ベンチに座ったら そのベンチが腐ってしまうのではないか という不安もあった 

そんな 不安を 抱えながら ぼくはベンチに座った

まず ベンチが腐るかどうかを確認した

ベンチは腐らなかった!

良かった!

その次 彼女とぼくの距離を見てみた

まぁ 特別 距離を置かれているという感じではなかった

よし!


1つのパンフレットを二人で見て どこに行くかを決めた

ぼくも 本当は持っていたが 持っていないことにした…

二人で1つのパンフレットを見るとなると 自然と二人の距離が縮まる

ぼくは ある程度 計算してやったのだ

自分の頭のすみの方から キャーという悲鳴が聞こえる

自分で自分に対して 悲鳴をあげたのかもしれない

まぁ この行為をやるのが イケメン俳優なら 別の意味で キャーとなると思うがね

かっこいい~ といって気絶する人が出るかもね(笑)

ぼくの場合は 別の意味で 気絶する人が出るかもね





ぼくが どこでもいいよ と言ったら

彼女は動物の剥製をみたいと言ったので 動物の剥製を見ることにした

どこでも良いという少しやる気のないような返事をしてしまった事に対して 後悔しながら 二人で剥製を見た

ガラスケースの中には たくさんの動物がいた

剥製のため 生きていないというのは 分かっていたが 剥製と目が合うと なぜか恥ずかしくなった

剥製の 目の輝きは ぼくよりもキラキラしていた

ぼくの方が 剥製より目が死んでいた

反射して ガラスケースにぼくが映っている

そのせいで ぼくは ぼくが醜い姿をしていると自分の目で確認させられた

彼女は とても楽しそうに 動物を見ていた

目の前をみると 反射して映っている自分が見えてしまうため 斜め前を見るようにした

そうすれば 視界には入ってしまうが

そこまで 見なくて済む

斜め前を見ていたら 反射してガラスケースに映っている彼女が見えた

彼女の目の輝きは もちろん 剥製より輝いていた!

剥製の目の輝きと 彼女の目の輝きを比べるなんて ぼくはなんて酷い奴なんだ!と、思った

そんなことを考えている間に 帰る時間になってしまった

ぼくと 彼女は 博物館を出た

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