第4話初デート(2)

哲学者 アリストテレスの生まれ変わり

あっ 間違えた!

ヘドロのような高校二年のぼくは、 

これから マドンナ(花田 満月)と

博物館に入る。

今の期間は 珍しい生き物の特別展を

やっているみたいだ。

珍しい生き物とか 

漠然としているなぁ~

鳥なのか 魚なのか なんなんだ?

というか どうでもいいけど 

暑い~ 暑い~ 夏って何で暑いの?

など 

ぐちぐちと心のなかで言っていた。

まぁ ぼくが博物館をデートの場所に

選んだ理由は 

博物館はうるさくしてはいけない所のため 

あまり喋らなくて済むというのもある。

デートの日が休日であったからか 

子供連れが多かった。

ぼくは 人混みも 子供も苦手だ。

人混みは 息苦しいというのもそうだが 

ぼくがヘドロのような男ということが いろんな人に広まってしまうのが 

嫌だからだ。

子供は 小さくて 

ぼくの視界にあまり入らないため 

ぶつかりそうになる。

また 

子供はちょこまか動き 鬱陶しい。

こんなにも 

ストレスを感じるような状況でも 

彼女と一緒だと 

そこまでストレスを感じない。


彼女は展示物を見るために 

ドンドン ガラスケースの方へと進む。

ぼくは 背が高いため少し離れたところからでも 

ガラスケースの中の展示物が見える。 

そのため あまりガラスケースの前にはいかない。

また ぼくみたいな 

でかい者がガラスケースの近くにいると後ろの人に迷惑がかかってしまう。

こんなことを思っているせいで 

彼女との距離がだんだんと 

ひろがっていった。

まぁ 彼女がどこにいるのかは 

わかるのだが…

彼女は 幼い少女にでも戻ったかのように 無邪気な目で 色々な展示物を見ていた。

そして たまに ぼくの方を向いて 

おいで!っと 

手で合図をしてくれた。

その時は 磁石に引き寄せられるかのように ぼくも彼女のところへ行った。

彼女は ガラスケースの中を指差して 面白い形をしているね🎵などと言って 楽しそうにしていた。

ぼくは 一緒に 

その展示物を見ると同時に 

彼女の笑顔も見た。

人混みによるストレスを癒してくれるような 笑顔だった。


やばい! 卑屈が取り柄のぼくの心が乱れている!

ぼくは ヘドロだ ヘドロだ!

そう自分に言い聞かせているとき

彼女が 長い髪を バサッと動かした。

彼女の匂いが 僕に来た。

正確に言えば 彼女の使っているシャンプーの匂いなのかもしれないがね…

彼女は ぼくが卑屈な僕に戻ろうと 心の中で 言い聞かせているのが 聞こえているかのように ちょうど良いタイミングで 髪をバサッと動かした。


博物館の中は 冷房がついていたため 涼しかった。

そのため 特別展の見学コースの半分を過ぎたくらいから 

涼しいから 少し寒いに変わった。

ぼくは 寒いのには強いため大丈夫だが

彼女は 大丈夫であろうか?と思った。

ぼくは 頑張って 

寒くない? ぼくの上着 着る?

と言おうとした。

ぼくは 上着を4分の1 脱ぎかけた時

彼女に 寒くない?と声をかけた。

そうしたら 

彼女は 大丈夫!と言った。

断られたのだ。

まぁ 本当に寒くなかったのだろうと

自分に言い聞かせた。

断られたのに 悪い気はしなかった。

まぁ 彼女だったからなのだろう。


なんか どんどん 

自分の卑屈さがデートをしているうちに なくなってきている気がした。

しか~し ぼくは そんな男ではない!

卑屈さがないぼくは ルーのかかっていないカレーのようなものだ!

まず これは デートではない。

ぼくが 一緒に出掛けませんかと メールをしただけである。

デートというのは ぼくが勝手に名付けてしまっただけだ!

こんなことを考えている間に 特別展を全て見終わってしまった。


何をやっているんだ 自分!

と自分を責めていると

彼女が 常設展も行こうよ!

と言ってきた。

ぼくは いいよ と言った。

まぁ ぼくには いいよ 

なんて言う権利はないというのは 

分かっていた。

でも いいよっと言ってしまった事を

後悔した。



二人で常設展に向かった。



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